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保育所・こども園の保護者向け文書と生成AI|栃木

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保育所・こども園の保護者向け文書と生成AI|栃木

この記事の要点

  • 秋は入園に向けた案内・見学対応・説明資料が重なり、園の文書仕事が一年で最も増える時期です。宇都宮市では入所に関する市民説明会が2026年10月17日に開かれます。
  • 生成AIに園児の氏名・家庭状況・発達の記録・写真を入れないことを先に決めます。これは個人情報の取扱いの問題であり、便利さと引き換えにできません。
  • 使えるのは「宛名も個人も含まない文書のひな形づくり」です。園だより、行事案内、入園説明の文章、多言語版の下書きが中心になります。
  • 保育の記録・指導計画・要録は、生成AIに書かせるものではありません。子どもを見た人が書く文書です。
  • 園内で使う前に、対象業務・入力禁止情報・確認者・保存先の4点を紙1枚にまとめておきます。

入園申込の時期に園の文書が増える

秋に文書が重なる理由

秋になると、園の事務は一気に重くなります。見学の申込みが増え、来年度の入園に向けた問い合わせが続き、同時に運動会や発表会の案内も出さなければなりません。職員は保育に入っているため、文書はどうしても早朝か夕方以降にずれ込みます。

見学の申込み、行事の案内、市民説明会が秋に積み上がる様子を示す段階図
秋は見学対応と行事案内が重なり、市の説明会の日程も入ってくる

宇都宮市の市民説明会は10月17日

この時期に自治体側の日程が動くことも、園の負担につながります。宇都宮市は、認定こども園や幼稚園、保育所等の利用を考えている保護者を対象に、施設利用の手続き方法・支給認定の方法・保育料についての市民説明会を開催します。開催日は令和8(2026)年10月17日(土曜日)で、第1回が午前10時から午前11時30分、第2回が午後1時30分から午後3時です。会場は東市民活動センター(宇都宮市中今泉3丁目5-1)、定員は各回先着50人で、事前申込みの受付期間は令和8(2026)年9月3日午前8時30分から令和8(2026)年10月16日午後1時までとされています(宇都宮市「保育所・認定こども園など入所に関する市民説明会のご案内」)。

説明会を聞いた保護者は、その足で園に見学や質問の電話を入れます。園としては、市の説明と食い違わない案内文を、この時期までに用意しておきたいところです。なお、上記のページで確認できるのは中央地区(昭和・中央・西・錦・西原・東・簗瀬)を対象とした回で、他地区の日程については2026年9月時点で同ページからは確認できていません。自園の地区の日程は市の保育課に確認してください。

生成AIに入れないものと、下書きに使えるもの

園の文書は、そのほとんどが子どもと家庭の情報と地続きです。だからこそ、最初に線を引く必要があります。

入力してはいけない情報と下書きに使える文書をゲートで左右に分けた図
園児と保護者に関する情報は入力せず、個人を含まない文書だけを渡す

入れないもの

次の情報は、生成AIの入力欄に貼らないと決めてください。

  • 園児の氏名・生年月日・住所・きょうだい構成
  • 家庭の就労状況、ひとり親であるかどうか、生活保護や就学援助に関する情報
  • 発達や健康に関する記録、アレルギーや既往症、服薬の情報
  • 保護者との個別のやり取り、苦情や相談の内容
  • 園児が写った写真・動画、名札や個人名が読み取れる画像

これらは個人情報保護法上の個人情報にあたり、要配慮個人情報を含むものもあります。取得・利用・第三者提供の考え方は個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」に整理されています。外部のサービスに入力する行為が委託や提供にあたるかどうかは、契約内容とサービスの仕様によって変わります。判断がつかないものは入れない、が現場で持てる唯一の安全策です。

下書きに使えるもの

反対に、個人が特定されない文書のひな形づくりは、生成AIが得意な領域です。

  • 園だよりの季節のあいさつ文、コラムの構成案
  • 行事案内(持ち物・時間・雨天時の対応)の文面
  • 入園説明会で配る資料の目次案、説明の言い換え
  • ホームページに載せる園の紹介文、よくある質問の整理
  • 「わかりにくい」と言われた既存の文書を、やさしい日本語に書き直す作業

ポイントは、具体名を伏せたまま依頼することです。「3歳児クラスの保護者向けに、運動会の持ち物を伝える文章を200字で」と頼めば十分で、園名も子どもの名前も要りません。

保護者向け文書の型を4つに分ける

型ごとの使いどころ

園の文書をひとまとめに「書類仕事」と呼んでいると、どこから手を付けるか決まりません。次の4つに分けると、生成AIを使う場所がはっきりします。

定期のおたより、単発の案内、説明用の資料、個別の連絡の4つの型を示す図
文書を4つの型に分けると、生成AIを使ってよい範囲が決まる
  1. 定期のおたより:園だより、クラスだより、給食だより。毎月出るため、型を作る効果が最も大きい文書です。
  2. 単発の案内:行事、健康診断、写真販売、休園の連絡。テンプレートを一度作れば、日付と場所を差し替えるだけになります。
  3. 説明用の資料:入園説明会の資料、重要事項説明書の補足、料金の仕組みの説明。誤りが出ると影響が大きいため、下書きのみに使い、確認を厚くします。
  4. 個別の連絡:欠席の返信、個人面談の日程調整、相談への回答。ここは個人情報が必ず絡むため、生成AIを使わないか、個人情報を伏せた定型文の作成までに限ります。

どの型から始めるか

1と2から始めて、3は下書き限定、4は原則使わない。この順番にしておくと、職員が迷う場面が減ります。

多言語の保護者連絡をどう作るか

栃木県内では外国籍の家庭が通う園も珍しくなくなりました。持ち物や登園時間の行き違いは、生活に直結するトラブルになります。

やさしい日本語から翻訳、訳し戻し、支援者の確認へ進む4段階の流れ図
やさしい日本語で原文を作り、翻訳し、訳し戻して確認する

やさしい日本語から順に作る

多言語の案内を作るときは、次の順で進めます。

  1. まずやさしい日本語で原文を作ります。一文を短くし、漢語をひらがなの動詞に言い換え、二重否定を避けます。
  2. そのうえで翻訳します。原文が整理されていないまま翻訳すると、どの言語でも読みにくい文になります。
  3. 訳文は日本語に訳し戻して、意味が変わっていないかを確認します。特に日時・持ち物・お金に関わる部分は必ず見ます。
  4. 可能であれば、その言語がわかる保護者や通訳の支援者に一度目を通してもらいます。

緊急時の連絡を先に多言語化する

この手順自体は、製造や介護の現場で多言語の手順書を作るときと同じ考え方です。詳しくは外国人材の手順書を生成AIで多言語化する手順も参考になります。園の場合は、緊急時の連絡(発熱、けが、災害時の引き渡し)を最優先で多言語化しておくと安心です。

保育の記録と計画は人が書く

任せてはいけない文書

一方で、生成AIに任せてはいけない文書があります。保育所保育指針に基づく指導計画、日々の保育記録、児童票、保育所児童保育要録といった、子どもの育ちを記録する文書です。

人が書く層と生成AIが手伝える層を上下に分けた層図
記録そのものは人が書き、生成AIは整え直しの層だけを担う

これらは「見た人が書く」ことに意味があります。誰かの観察を経ていない一般的な文章を当てはめると、記録としての価値がなくなるだけでなく、小学校への引き継ぎや保護者への説明の場面で食い違いが生じます。保育制度や施設運営の枠組みはこども家庭庁「保育」のページにまとまっています。

使ってよいのは整え直しまで

使ってよいのは、自分が書いた記録を読みやすく整える用途までです。たとえば、走り書きのメモを常体から敬体に直す、長すぎる一文を分ける、といった編集作業は負担軽減になります。それでも、園児が特定できる情報を含むメモをそのまま貼るのは避け、氏名を「A児」などに置き換えてから扱ってください。同じ線引きの考え方は、記録が中心の他業種でも共通です。介護分野での整理は介護の記録と書類に生成AIを使う線引きにまとめてあります。

園で使う前に決める4つのルール

決める4点

職員が10人いれば、使い方も10通りになります。先に紙1枚を作っておくと、あとから困りません。決めるのは次の4点です。

園内ルールとして決める4項目を2×2に並べた図
対象業務・入力禁止情報・確認者・保存先の4点を紙1枚に書く
  • 対象業務:おたより・行事案内・ホームページ原稿のように、使ってよい文書を列挙します。書いていない用途は使わない、と決めます。
  • 入力禁止情報:園児と保護者に関する情報、写真、個別のやり取りを明記します。「迷ったら入れない」も書き添えます。
  • 確認者:出す前に誰が読むかを決めます。おたよりは主任、説明資料は園長、といった具合に文書の種類で分けます。
  • 保存先:下書きをどこに置くか、個人の端末に残さないルールを決めます。

紙1枚にして職員室に貼る

この4点をA4の1枚にまとめ、職員室に貼っておく形で十分です。書式から作りたい場合は生成AIガイドラインの作り方の構成をそのまま流用できます。運用を始めたら、3か月後に「困った場面」を集めて書き足す時間を取ってください。

栃木県内の相談先と確認先

手続きの内容を確認する窓口

制度や手続きの内容は、園の判断で書き換えられません。保護者向けの案内に制度の説明を載せるときは、次の窓口で最新の内容を確認してください。

  • 入所・支給認定・保育料の手続き:宇都宮市の場合は子ども部保育課の入所・給付グループ(電話028-632-2393・2394)が窓口です。市民説明会の申込みも同じ窓口で受け付けています。市外の園は、所在する市町の保育担当課に確認してください。
  • 県全体の子ども・子育て施策:栃木県こども政策課が所管しています。県の計画や補助制度の情報はここから追えます。
  • 個人情報の取扱いの判断:個人情報保護委員会のガイドラインを一次情報として確認します。

説明会の資料が公開されてから案内を更新する

なお、市の市民説明会については「説明会開催後、当日の資料を市ホームページに掲載いたします」と案内されています。園として保護者に説明する内容をそろえたい場合は、公開された資料を確認したうえで自園の案内を更新するのが確実です。

よくある質問

Q. 園だよりを生成AIに書かせてもよいですか。
A. 季節のあいさつやコラムの下書きであれば問題ありません。ただし、園児の名前やクラスでの出来事を入力しないでください。行事の日程や持ち物は、人が確定した情報を差し込みます。

Q. 保護者からの相談メールへの返信を生成AIに作らせてもよいですか。
A. 相談内容そのものを入力するのは避けてください。個別のやり取りは個人情報にあたります。どうしても型がほしい場合は、内容を含まない一般的な返信の雛形だけを作らせ、中身は人が書きます。

Q. 保育要録や指導計画はどうですか。
A. 生成AIに書かせる文書ではありません。子どもを見た職員が書くことに意味があります。自分で書いた文章の整え直しにとどめてください。

Q. 宇都宮市の入所に関する市民説明会はいつですか。
A. 令和8(2026)年10月17日(土曜日)で、第1回が午前10時から、第2回が午後1時30分からです。事前申込みが必要で、受付は令和8(2026)年10月16日午後1時までとされています。定員は各回先着50人です。

Q. 園児が写った写真をAIで加工してもよいですか。
A. 園児の写真は個人情報です。外部サービスへの入力は避けてください。掲載の可否も含め、保護者への説明と同意の範囲を先に確認します。

Q. 小さな園でも導入できますか。
A. できます。まずは月に一度出すおたよりの1本だけで試し、時間がどれだけ短くなったかを記録してください。効果が見えてから対象を広げるほうが、職員の負担になりません。

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参考・出典