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【2026年最新】外国人材の手順書を生成AIで多言語化する5手順|栃木

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【2026年最新】外国人材の手順書を生成AIで多言語化する5手順|栃木

栃木県内の外国人労働者は38,817人、雇用する事業所は5,576所で、いずれも届出義務化以降で最多です(令和7年10月末時点・栃木労働局)。県内企業へのアンケートでも、外国人雇用の困難として最も多く挙がったのは「日本語能力の不安」でした。生成AIは、この課題のうち「作業手順書・安全衛生教育資料・掲示物を、やさしい日本語と多言語で用意する」部分を、外注コストをかけずに短時間で進める道具になります。本記事では、法令が求める水準を確認したうえで、翻訳精度を現場で担保する5手順を示します。

栃木で外国人材向けの文書整備が急がれている理由

栃木県の外国人雇用の現在地
栃木県の外国人雇用の現在地

まず、県内の現状を数字で押さえます。以下はすべて栃木労働局が令和8年1月30日に公表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)に基づく数値です。

  • 外国人労働者数は 38,817人(前年35,569人、前年比3,248人増、増加率9.1%)
  • 外国人を雇用する事業所数は 5,576所(前年5,150所、前年比426所増、増加率8.3%)
  • 産業別では 製造業 が最も多く、外国人労働者数全体の 37.6%、事業所数全体の 24.0%
  • 事業所規模別では 「30人未満」規模 が最も多く、外国人労働者数全体の 35.0%、事業所数全体の 64.1%
  • 国籍別の上位はベトナム9,099人(23.4%)、インドネシア4,555人(11.7%)、フィリピン4,308人(11.1%)、中国3,640人(9.4%)、ネパール3,183人(8.2%)
  • 在留資格別では身分に基づく在留資格12,647人(32.6%)、専門的・技術的分野10,841人(27.9%)、技能実習9,420人(24.3%)

安定所別では、宇都宮10,634人(27.4%)、小山6,979人(18.0%)、栃木4,115人(10.6%)、真岡3,994人(10.3%)、足利3,451人(8.9%)の順で、上位5所で全体の7割以上を占めます。県南・県央の製造業集積地に集中している構図です。

住民ベースでも、栃木県の外国人住民数は 60,645人(令和7年12月31日現在・栃木県調べ)で、前年同時期の55,762人から増えています。

そして重要なのが、県が実施したアンケートの結果です。とちぎ外国人材活用促進協議会が令和8年3月31日に公表した「令和7年度『外国人の雇用に関するアンケート』調査結果報告書」(回答742社・延794事業所、調査期間は令和7年12月8日〜令和8年1月30日)では、外国人の雇用における困難として「日本語能力の不安」が557件で最多、次いで「文化や習慣などの違いへの配慮」355件、「住まいなど生活に関する支援」329件でした。

つまり、栃木で外国人材を受け入れている事業所の多くが、採用そのものより「日々の伝達が通じるか」で困っています。しかも64.1%が30人未満の事業所です。翻訳会社に手順書一式を出す予算を毎回は取りにくい規模、というのが県内の実像です。ここが生成AIの出番になります。

法令が求めているのは「母国語等で理解できる方法」

生成AIを使う前に、事業主に何が求められているかを確認します。根拠は厚生労働省告示の「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(平成19年8月3日厚生労働省告示第276号。直近の改正は令和8年5月29日厚生労働省告示第227号で、令和8年6月14日改正版が公表されています)です。

この指針は、次のように「母国語等」という言葉を定義しています。

母国語その他の当該外国人が使用する言語又は平易な日本語(以下「母国語等」という。)

ポイントは、必ずしも完全な翻訳版だけが求められているわけではなく、「平易な日本語」も明示的に選択肢に入っていることです。指針の各所では、次のように書かれています。

  • 安全衛生教育の実施:「母国語等を用いる、視聴覚教材を用いる等、当該外国人労働者がその内容を理解できる方法により行うこと」。特に、使用させる機械等・原材料等の危険性や有害性、取扱方法が確実に理解されるよう留意すること
  • 労働災害防止のための日本語教育等の実施:労働災害防止のための指示等を理解できるよう、必要な日本語及び基本的な合図等を習得させるよう努めること
  • 労働災害防止に関する標識、掲示等:「図解等の方法を用いる等、外国人労働者がその内容を理解できる方法により行うよう努めること」
  • 労働条件の明示:書面を交付するとともに、モデル労働条件通知書やモデル就業規則を活用する、母国語等を用いて説明する等、理解できる方法によること
  • 健康診断の実施等:目的・内容を母国語等で説明するよう努めること

読み替えると、事業主に課されているのは「訳した書類を渡した」ではなく「理解できる方法で伝わった状態を作る」ことです。生成AIはこの作業のうち、下書きの生成と多言語化のコストを大きく下げますが、理解できたかの確認と最終責任は事業主側に残ります。この線引きを最初に共有しておくと、後の手順がぶれません。

5手順で作る:やさしい日本語と多言語の手順書

5手順のフロー図
5手順のフロー図

ここからが本体です。手順の順番には理由があります。いきなり翻訳しないことが最大のコツです。

手順1:対象文書を棚卸しし、命に関わるものから並べる

社内にある外国人材向けの文書を洗い出し、次の優先順位で並べます。

  1. 命と体に関わるもの:機械の操作手順、危険予知(KY)の掲示、緊急停止と避難、化学物質の取扱い、フォークリフト・クレーン周りの動線
  2. お金と契約に関わるもの:労働条件通知書、賃金控除の説明、シフトと残業の扱い、休暇の申請方法
  3. 日々の運用:始業前点検、清掃・5S、不良品の報告ルート、体調不良時の連絡先
  4. 生活支援:ごみの出し方、健康診断の案内、住まいのルール

栃木県内の実情に合わせると、製造業(労働者の37.6%)が多い地域では1と3の比重が高く、農業・宿泊では季節ごとの入れ替わりが多いぶん3の更新頻度が上がります。まずは「1のうち5点」に絞って着手すると、成果が見えやすくなります。

手順2:翻訳の前に、日本語を「やさしい日本語」へ書き直す

原文が長く曖昧なまま翻訳すると、どの言語でも曖昧なまま訳されます。先に日本語を整えます。

栃木県も県民協働推進課のページで「やさしい日本語」を紹介しており、ワンポイントレッスンとして「ゆっくり、はっきり話す」「短く区切って話す」「難しいことばは使わない」を挙げ、例として「高台に避難してください。」を「高い 場所へ 逃げて ください。」と書き換えています。書き言葉の詳細な作り方は、出入国在留管理庁と文化庁が2020年8月に公表した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(別冊に書き換え例)が基準になります。

生成AIへの指示は、この原則を明示的に書き下ろします。

あなたは製造現場の安全教育担当です。次の作業手順書を「やさしい日本語」に書き直してください。
条件:
- 1文は40字以内。1文に1つの動作だけ書く
- 漢語をやさしい言葉にする(例:着用する→つける、実施する→する、禁止→してはいけません)
- あいまいな表現を数字にする(例:しばらく待つ→30秒 待つ)
- 二重否定と受け身を使わない
- 「〜してください」「〜しないでください」で終える
- 危険に関わる文の前に【あぶない】と書く
- 分かち書きにする(文節の間に半角スペース)
- 社内固有の言葉(機械名・部署名・略語)は変えずに残し、末尾に用語リストとして抜き出す
書き直せない・意味が確定できない箇所は、勝手に補わずに【要確認】と書いて理由を示してください。
(ここに原文を貼る)

最後の1行が重要です。AIが勝手に埋めた曖昧箇所は、現場でそのまま事故になります。「補完せずに【要確認】を出す」よう指示しておくと、人が判断すべき箇所が可視化されます。

手順3:県内で多い言語へ翻訳し、用語を固定する

やさしい日本語版が確定してから翻訳します。栃木県内の国籍別上位はベトナム・インドネシア・フィリピン・中国・ネパールですので、自社の在籍構成に合わせて言語を選びます(フィリピン国籍の方向けは英語併記が実務的な場合もあるため、対象者に確認してから決めます)。

次の「やさしい日本語」の手順書をベトナム語に翻訳してください。
条件:
- 用語集の対訳を必ず使う(用語集:ここに機械名・部署名・保護具名の対訳を貼る)
- 用語集にない固有名詞は翻訳せず、日本語のまま残す
- 意訳・要約をしない。文の数を原文と同じにする
- 出力は「日本語 / ベトナム語」の2列の表にする
- 訳に迷った語は【確認】を付けて理由を書く

2列の表で出すのがコツです。あとで日本語側だけを直したときに、対応する訳文を特定しやすくなります。用語集(グロッサリー)を先に作って毎回貼る運用にすると、担当者が替わっても訳語が揺れません。

手順4:逆翻訳と現場レビューで確認する

ここが品質の分かれ目です。3つのチェックを通します。

  1. 逆翻訳:訳文を別のセッション(別のチャット)に貼り、日本語に戻させます。元のやさしい日本語と意味がずれた箇所は、訳文の問題かもとの日本語の曖昧さが原因です
  2. 母語話者の確認:社内に在籍する当該言語の従業員、または支援機関に見てもらいます。特に敬語・命令の強さ・宗教文化に触れる表現(食事、休憩、身体接触)は機械翻訳で外しやすい部分です
  3. 作業長の確認:現場の実際の手順と一致しているか。文書が古いまま訳されている事故は珍しくありません

逆翻訳を「同じチャットの続き」でやってはいけません。直前の日本語を覚えているため、ずれが表面化しにくくなります。

手順5:掲示・図解にして、改訂ルールを決める

指針が「標識、掲示等について、図解等の方法を用いる」と求めているとおり、文字だけで完結させないほうが安全です。

  • A4横1枚に、写真+番号+短文(やさしい日本語+対象言語)の形式で作る
  • 危険箇所は色ではなく 記号と番号 で識別する(色覚特性の差に依存しない)
  • 文書の右上に「版番号・改訂日・作成者」を必ず入れる
  • 機械や工程を変えたら、日本語版を直してから各言語版を作り直す(訳文だけ直すと版がずれる)

業種別に効く文書と、押さえどころ

業種別の優先文書マトリクス
業種別の優先文書マトリクス

とちぎ外国人材活躍促進協議会は、製造業・農業・建設業・介護・サービス業(宿泊業)の業種別部会を設けています。県内で外国人材の受け入れが厚い業種と一致しますので、それぞれで効きやすい文書を挙げます。

製造業(外国人労働者の37.6%)
作業手順書、始業前点検表、KY掲示、不良発生時の連絡ルート、保護具の着用基準。特に「はさまれ・巻き込まれ」に関する掲示は図解を優先します。工程変更が多い職場では、変更点だけを1枚にした「変更のお知らせ(やさしい日本語+対象言語)」を定型化すると更新が回ります。

農業
作付けごとの作業手順、農薬・肥料の取扱いと立入禁止時間、収穫基準(等級の見分け方)、熱中症対策。収穫基準は文章より写真の等級見本が有効で、生成AIには写真に添えるキャプションの多言語化を任せる形が現実的です。

建設業
新規入場者教育の資料、朝礼・KYの定型文、高所作業と足場のルール、緊急時の連絡先。建設業の書類全般の効率化は既刊の栃木の建設業|生成AIで書類作成を軽くする7場面で扱っています。

介護
利用者への声かけ表現、記録の書き方、申し送りの定型、感染対策。ここは記録が個人情報を含むため、扱いの線引きが別途必要です。

宿泊業
清掃手順、備品の名称と数、クレーム時のエスカレーション、アレルギー対応の確認手順。

やってはいけない5つ

1. 労働条件通知書や在留資格の書類を、AI出力のまま交付する
労働条件の明示は法令上の義務です。指針も、モデル労働条件通知書やモデル就業規則の活用と、母国語等での説明を求めています。AIは説明用の平易版を作る道具として使い、正式な通知書は所定の様式で作成し、内容の確認を人が行ってください。在留資格に関する手続書類も同様で、記載の誤りは本人の在留に直結します。

2. 在留カード番号・パスポート番号・住所を、個人アカウントの無料ツールに貼る
これらは個人情報です。翻訳させたいのは「手順」であって「個人の情報」ではありません。文書に個人情報が含まれる場合は、氏名を「Aさん」に置き換えるなど、貼る前に伏せます。社内ルールの作り方は既刊の生成AIガイドラインの作り方を参照してください。

3. 「訳せた=伝わった」と考える
指針が求めているのは「理解できる方法」です。配布後に、実際に手順を再現してもらう、口頭で説明してもらう、といった確認の場を必ず作ります。翻訳版を配っただけで教育を実施したことにはなりません。

4. 社内用語・略語・方言をそのままAIに渡す
「バリ取り」「段取り替え」「イッパン」「ハネ品」といった言葉は、AIが一般語として誤訳します。用語集で対訳を固定し、用語集にない語は翻訳しないよう指示します。

5. 健康・医療・在留手続の判断をAIにさせる
体調不良時の対応や、在留期限に関する判断は、生成AIの出力を根拠にしないでください。文書の平易化・多言語化にとどめ、判断は医療機関・行政書士・支援機関に委ねます。

栃木県内で相談できる先

一次情報として確認できる県内の窓口・体制は次のとおりです。

  • とちぎ外国人材活躍促進協議会:県内企業等による外国人材の適切な雇用促進と、受入れに伴う課題の検討・情報共有のために令和元(2019)年6月に設立(設立時の名称は「とちぎ外国人材活用促進協議会」で、令和8(2026)年度総会において現名称へ変更)。会員は随時受付で、県の電子申請システムから登録します
  • とちぎ外国人材受入支援センター:公益財団法人栃木県国際交流協会内(宇都宮市本町9-14)に設置。外国人材コーディネーターに加えて外国人材受入支援コンシェルジュを配置し、相談・人材確保・定着支援・国の制度変革に係る理解促進を支援する体制とされています
  • 栃木県「やさしい日本語」のページ(県民協働推進課):ワンポイントレッスン、県と栃木県国際交流協会が作成したリーフレット・冊子のダウンロード先、国のガイドラインへの案内
  • 栃木労働局 外国人労働者相談コーナー:雇用管理や労働条件に関する相談窓口

なお、技能実習制度に代わる 育成就労制度 については、2027年4月の施行として複数の解説記事が出ていますが、施行日・運用の詳細については本記事の作成時点(2026年9月2日)で出入国在留管理庁の公式ページを一次で確認できていません。制度前提で社内文書を作り替える際は、必ず出入国在留管理庁の公式発表で日付と内容を確認してください。

まず1か月で何をするか

30人未満の事業所(県内で外国人を雇用する事業所の64.1%)を想定した、現実的な進め方です。

  • 1週目:対象文書の棚卸し。命に関わる文書を5点だけ選ぶ。用語集の初版(機械名・保護具名・部署名だけで可)を作る
  • 2週目:5点をやさしい日本語へ書き直す。【要確認】が付いた箇所を現場に確認して確定する
  • 3週目:在籍構成に合わせて1〜2言語へ翻訳。逆翻訳と母語話者チェックを通す
  • 4週目:掲示物に落として貼る。配布後に、手順を実演してもらう確認の場を1回設ける

ここまで回すと、6点目以降は同じ型で流せます。逆に、最初から全文書を対象にすると、用語集も確認の仕組みもないまま量産することになり、翻訳の揺れが後から効いてきます。

FAQ

Q. 翻訳版と、やさしい日本語版のどちらを優先すべきですか。
A. 指針は「母国語その他の当該外国人が使用する言語又は平易な日本語」を選択肢として並記しています。在籍者の国籍が多岐にわたる職場では、全言語版を維持するより、やさしい日本語版を正として整備し、危険に関わる部分だけ主要言語版を用意するほうが更新に耐えます。どちらにしても、理解できたかの確認は必要です。

Q. 無料の生成AIで足りますか。
A. 手順書の平易化・翻訳の下書きという用途に限れば、多くのケースで足ります。ただし、個人情報や図面・製品仕様を含む文書を扱う場合は、入力データが学習に使われない契約形態かを確認してから使ってください。ツールの選び方は既刊の生成AIツール比較の6軸で整理しています。

Q. 翻訳の正確さは誰が保証するのですか。
A. 事業主です。生成AIの提供者ではありません。だからこそ手順4の逆翻訳と母語話者チェックを省略しないでください。

Q. 県内の外国人労働者は今後も増えますか。
A. 将来の予測は公式には示されていません。確認できるのは実績値で、令和7年10月末時点の38,817人は前年比9.1%増、届出義務化された平成19年以降で最多という事実までです。

Q. 費用の補助はありますか。
A. 外国人材向け文書の多言語化そのものを対象とする県の補助制度は、2026年9月2日時点で公式に確認できていません。県内のAI関連支援制度は既刊の栃木県の中小企業向けAI導入補助金・支援制度まとめにまとめており、適用可否は各制度の要件審査によります。

出典・参考

未確認事項(記事内で明示済み)

  • 育成就労制度の施行日・運用詳細:2026年9月2日時点で出入国在留管理庁の公式ページを一次で確認できていない
  • 外国人材向け文書の多言語化を直接対象とする県補助制度の有無:2026年9月2日時点で公式に確認できていない