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【2026年最新】栃木の観光業向け生成AI多言語対応4手順|日光・那須

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【2026年最新】栃木の観光業向け生成AI多言語対応4手順|日光・那須

栃木県の観光事業者が生成AIで先に成果を出しやすいのは、多言語メニュー、口コミ返信、予約メールの返信、スタッフ用の想定問答の4つです。どれも毎回ゼロから書き起こしている文章なので、型を用意するだけで作成時間が縮みます。

ただし、出てきた訳文をそのまま掲示・送信するのは危険です。固有名詞・アレルギー表記・宗教上の配慮の3点だけは、人が確認する工程を必ず挟んでください。本記事では、日光・那須をはじめとする県内の宿泊・飲食・土産・体験事業者を想定して、4つの手順と確認の基準を具体的に説明します。

栃木のインバウンドの現在地|どの言語から手を付けるか

2025年の栃木県の外国人宿泊数が多い国・地域と、優先して用意する言語
2025年の栃木県の外国人宿泊数が多い国・地域と、優先して用意する言語

栃木県観光交流課の推定調査によると、2025年の県内の外国人宿泊数は延べ32.8万人で、過去最高を更新しました。前年比117.4%、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年比では132.7%です。市町別では日光市が18.3万人(県全体の55.9%)で最も多く、次いで宇都宮市7.9万人、那珂川町1.8万人、那須町1.5万人と続きます。

県全体の観光客入込数は2025年で9,076.2万人(日光市1,073.5万人、那須塩原市830.6万人)です。外国人宿泊数はこの中では小さな比率ですが、伸び方が国内客と明らかに違います。全国では日本政府観光局(JNTO)が2025年の訪日外客数を42,683,600人と発表しており、前年比15.8%増で年間過去最高を更新しました。栃木県の伸びはこの全国トレンドと連動しています。

ここで大事なのは、「英語だけ用意すればよい」わけでも「全言語に対応しなければならない」わけでもない、という点です。県の調査では国・地域別の内訳が公表されているので、自館・自店の客層に合わせて優先順位を決められます。

国・地域 2025年の県内外国人宿泊数(人泊) 優先して用意する言語
台湾 50,442 繁体字中国語
中国 34,096 簡体字中国語
韓国 33,839 韓国語
米国 28,995 英語
タイ 16,053 英語(タイ語は必要に応じて)
フランス 12,378 英語
香港 10,204 繁体字中国語

この並びから実務的に導けるのは、英語を土台にして、繁体字中国語・簡体字中国語・韓国語を足すという順番です。観光庁の「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」でも、飲食施設は最低限として日本語と英語を併記したメニューを用意することが示されています。まず英語版を正確に作り、それを起点に他言語へ展開するほうが、4言語を同時に作るより破綻しません。

多言語メニューと館内案内をつくる

最初に取り組むのはメニューと館内案内です。紙の差し替えが必要な媒体なので、更新頻度が低く、一度作れば効果が続きます。

やることの順番

  1. 日本語の原稿を整える(料理名・原材料・調理法・提供時間・価格)
  2. 英語版を作り、社内または外部の確認者が読む
  3. 確定した英語版をもとに繁体字中国語・簡体字中国語・韓国語へ展開する
  4. 掲示前に固有名詞とアレルギー表記だけを再確認する

手順2と3を分けるのは、誤りが混ざったまま4言語に増殖するのを防ぐためです。英語版が確定するまで他言語には進みません。

プロンプト例(多言語メニュー)

例:「あなたは旅館の接客担当です。次の料理名と原材料リストを、英語・繁体字中国語・韓国語のメニュー表記に直してください。条件は4つです。(1)料理名は日本語のローマ字表記を残し、その後ろに英語1文の説明を付ける。(2)原材料に含まれるものだけをアレルゲンとして書き、原材料リストにないものは推測して書かない。(3)不明な原材料は訳さず『要確認』と書く。(4)出力は料理ごとに表形式でまとめる。──料理名:湯波の白和え/原材料:ゆば(大豆)、豆腐、ごま、砂糖、しょうゆ(小麦・大豆)」

ポイントは「原材料リストにないものは推測して書かない」という指示です。これがないと、生成AIは一般的なレシピから原材料を補って書いてしまいます。

アレルギー表記の扱いは制度を分けて考える

消費者庁の食品表示制度では、容器包装された加工食品について、えび・カシューナッツ・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生の9品目(特定原材料、令和8年4月時点)の表示が義務付けられています。アーモンドやごま、大豆など20品目は「特定原材料に準ずるもの」として表示が推奨されています。

一方、飲食店で提供する料理そのもののメニュー表示は、この表示義務の対象ではありません。ただし消費者庁は外食・中食でのアレルゲン情報提供を推進しており、事業者向けの教材やパンフレットを公開しています。土産品(容器包装された加工食品)とレストランのメニューでは制度上の位置づけが違うので、社内ルールもこの2つを分けて決めてください。

いずれの場合も、アレルゲンの判断を生成AIにさせないことが原則です。生成AIに渡すのは、厨房が管理している実際の原材料リストだけにします。

口コミ返信を型にして毎日回す

宿泊・飲食・体験のいずれでも、口コミ返信は「時間がないので後回しになる」業務の代表格です。ここは型を決めてしまえば、1件あたりの時間を短縮できます。

返信文に入れる要素は4つに固定します。

  • 来館・来店へのお礼(1文)
  • 指摘された点を自分の言葉で言い換えて受け止める(1文)
  • 実際に行う改善、または現状の説明を1つだけ書く(1文)
  • 再訪への一言(1文)

言い訳を並べたり、複数の改善を約束したりすると、かえって不信感につながります。1件につき1つだけにするのが型の要点です。

プロンプト例(口コミ返信)

例:「次の口コミへの返信文を、日本語と英語の2つ作ってください。条件は5つです。(1)冒頭でご来館のお礼を書く。(2)指摘された点を言い換えて受け止める文を1文入れる。(3)実際に行う改善か現状の説明を1つだけ書く。(4)日本語150字以内、英語100語以内。(5)割引・無料サービス・返金の約束は書かない。事実を確認できない部分は文中に【要確認】と書いてください。──口コミ本文:(ここに貼り付け)」

【要確認】を出力させる指示を入れておくと、送信前に何を調べるべきかがひと目で分かります。担当者が変わっても品質が落ちにくくなります。

返信してはいけない内容

  • 他の宿泊者・来店者の情報が推測できる記述
  • スタッフ個人を特定できる書き方
  • 金銭補償や割引の約束(現場の一存で決められない)
  • 事実確認が済んでいない出来事についての断定的な謝罪

予約・問い合わせメールを多言語で返す

メール返信で失敗する典型は、生成AIが「それらしい条件」を勝手に埋めてしまうことです。チェックイン時刻、駐車場の有無、キャンセル規定、送迎の可否など、事実と違えばそのままクレームになります。

これを防ぐ方法はひとつで、確定情報シートを先に作ることです。自館・自店の確定情報を1枚にまとめ、返信を作るたびにその内容を生成AIに渡します。

項目 確定情報シートに書く内容
チェックイン・アウト 時刻、早着・延長の可否と料金
料金 税・入湯税・子ども料金の扱い
アクセス 最寄駅・バス・駐車場・送迎の有無と条件
食事 提供時間、アレルギー対応の可否と申告期限
キャンセル規定 何日前から何%か
設備 Wi-Fi、クレジットカード、貸切風呂などの可否

プロンプト例(予約メールの返信)

例:「次の英語の問い合わせメールに対する返信の下書きを英語で作ってください。回答は下記の確定情報だけを根拠にしてください。確定情報に書かれていない条件を推測して書いてはいけません。回答に必要な情報が足りない場合は、返信文を書かずに『不足している情報』を箇条書きで挙げてください。──確定情報:(確定情報シートを貼り付け)/問い合わせ本文:(ここに貼り付け)」

「足りなければ書かずに不足を挙げる」と指示しておくのが要です。空欄を埋めさせないことが、誤情報の送信を止める一番簡単な方法になります。送信前に人が読む工程は省略しません。

接客準備|FAQとスタッフ用の想定問答をそろえる

観光事業者が生成AIを使う5つの場面
観光事業者が生成AIを使う5つの場面

ここまでの3つは文章を作る話でしたが、4つ目は現場で口頭対応する準備です。多くの現場では、聞かれる質問は毎回ほとんど同じです。

FAQの作り方

  1. 直近3か月の問い合わせ・口コミ・電話メモから、実際に聞かれた質問を書き出す
  2. 頻度順に並べ、上位20問を選ぶ
  3. 日本語で答えを確定させる(ここは人が書く)
  4. 生成AIで英語・繁体字中国語・韓国語の応答文に直す
  5. フロント・客室・売店など、置き場所ごとに1枚にまとめる

プロンプト例(スタッフ用の想定問答)

例:「次のFAQ(日本語)をもとに、フロントスタッフが口頭で答えるための英語の応答文を作ってください。条件は3つです。(1)1問につき2文以内。(2)専門用語を避け、聞き取りやすい平易な語彙にする。(3)日本語の読み仮名を併記する。あわせて、この回答を聞いた外国人のお客様から想定される追加質問を、各問につき2つ挙げてください。──FAQ:(ここに貼り付け)」

「想定される追加質問」を一緒に出させると、FAQの穴が見つかります。これを2〜3周まわすだけで、現場が詰まる質問はかなり減ります。日本語の読み仮名を併記させるのは、英語に不慣れなスタッフでも声に出せるようにするためです。

作成したFAQと想定問答は、スタッフ研修の教材にそのまま使えます。研修の組み立て方は「中小企業の生成AI研修設計5ステップ」で解説しています。

訳文は人が確認する|固有名詞・アレルギー表記・宗教への配慮

掲示・送信の前に人が確認する3点と、その土台になる2つの資料
掲示・送信の前に人が確認する3点と、その土台になる2つの資料

生成AIの翻訳は速いですが、観光の現場では「速いが間違っている文章」が最も損をします。掲示・送信の前に、次の3点だけは人が見てください。

固有名詞

日光東照宮、華厳滝、那須高原のような施設名・地名は、意味訳されると検索できない名前に変わってしまいます。自社で使う固有名詞の対訳表(用語集)を作り、毎回プロンプトに貼り付けます。料理名も同様で、ローマ字表記を残したうえで説明文を足す形に統一しておくと、館内表示とWebサイトで表記がぶれません。

アレルギー表記

前述のとおり、アレルゲンの判断を生成AIにさせないことが原則です。確認するのは「厨房の原材料リストに書かれているものだけが訳文に出ているか」「原材料リストにないアレルゲンが勝手に追加されていないか」の2点です。判断に迷う料理は、メニューに載せる前に提供方法そのものを見直します。

宗教・食習慣への配慮

観光庁は「ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム旅行者おもてなしガイド」(令和6年4月)を公開しており、対応の考え方と表示のしかたがまとまっています。生成AIに「ムスリム対応かどうか」を判定させてはいけません。使うのは、自社で確認済みの事実(使用している調味料、調理器具の共用の有無、提供できる代替メニュー)を、正確に伝わる文章に整えるところまでです。

掲示前チェックリスト

  • 固有名詞が用語集どおりに表記されているか
  • 原材料リストにない食材・アレルゲンが混ざっていないか
  • 確定情報にない条件(時刻・料金・可否)が書かれていないか
  • 数字(価格・時刻・人数・所要時間)が原文と一致しているか
  • 断定を避けるべき部分に断定表現が使われていないか

小さく始める進め方と県内の相談先

全部を同時に始めると、どれも中途半端になります。次の順番で1か月ずつ進めるのが現実的です。

やること できあがるもの
1週目 確定情報シートと固有名詞の用語集を作る 生成AIに毎回渡す土台の資料
2週目 口コミ返信の型とプロンプトを決める 担当者が変わっても同じ品質で返せる状態
3週目 英語版メニュー・館内案内を作り、確認者が読む 他言語展開の元になる確定版
4週目 FAQ上位20問と想定問答をそろえる 現場で使える1枚もの

社内ルールも同時に決めます。最低限、「宿泊者名・連絡先・クレジットカード情報などの個人情報を生成AIに入力しない」「掲示・送信の前に人が確認する」「利用してよいサービスを限定する」の3点は先に文書化してください。

相談先としては、栃木県産業振興センターが運営する「とちぎビジネスAIセンター」が無料の個別相談やワークショップを提供しています。導入費用の支援制度については「栃木県の中小企業が使えるAI導入補助金・支援制度まとめ」にまとめました(制度の対象となるかは要件審査があります)。

よくある質問

Q1. 無料の翻訳ツールと生成AIは何が違いますか?

翻訳ツールは「与えた文をそのまま訳す」道具で、生成AIは「条件を指定して文章を作らせる」道具です。観光の現場では、訳すだけでなく「アレルゲンは原材料リストにあるものだけ書く」「確定情報にない条件は書かない」「1問2文以内にする」といった条件を付けられることに価値があります。一方で、条件を付けなければ勝手に情報を補ってしまうため、プロンプトに制約を書くことが前提になります。

Q2. 何言語まで用意すればよいですか?

まず英語を確定させ、そのうえで自館・自店の客層に合わせて追加します。栃木県全体では2025年の外国人宿泊数が台湾・中国・韓国・米国・タイの順に多いため、繁体字中国語・簡体字中国語・韓国語が次の候補になります。ただし施設ごとに客層は違うので、自社の予約データや宿泊者名簿の国籍内訳を先に集計してから決めてください。

Q3. アレルギー対応の文章を生成AIに作らせても大丈夫ですか?

「厨房が管理している原材料リストを、指定した言語の表記に直す」までなら実用的です。「この料理はアレルギー対応か」「この調味料に小麦は入っているか」といった判断をさせるのは避けてください。生成AIは一般的なレシピから情報を補ってしまうため、実際の仕入れや調理と食い違う可能性があります。判断は必ず厨房と仕入れの実データで行い、生成AIは文章化の工程だけに使います。

Q4. スタッフが英語を話せなくても導入する意味はありますか?

あります。むしろ話せない現場ほど、事前に用意した想定問答が効きます。よく聞かれる20問について、2文以内の短い応答文と読み仮名を用意しておけば、口頭対応の負担は下がります。加えて、指差しで示せる1枚もの(館内案内・食事時間・注意事項)を用意しておくと、会話が不要な場面が増えます。

Q5. 口コミ返信をAIに任せると機械的になりませんか?

そのまま貼り付ければ機械的になります。型で決めるのは4つの要素と文字数までにして、「実際に行う改善または現状の説明」の1文だけは現場の言葉で書き換えてください。この1文に施設固有の事情が入るかどうかで、読み手の印象が変わります。

参考・出典

まとめ|「訳す」より「確認の型を持つ」ことが要

栃木県の外国人宿泊数は2025年に延べ32.8万人と過去最高を更新し、日光市だけで県全体の55.9%を占めています。この流れの中で観光事業者が生成AIを使う場面は、多言語メニュー、口コミ返信、予約メールの返信、スタッフ用の想定問答の4つに整理できます。

4つに共通する成否の分かれ目は、翻訳の精度そのものではなく、確定情報シートと用語集を先に用意し、掲示・送信の前に固有名詞・アレルギー表記・宗教への配慮を人が確認する型を持てるかどうかです。1か月あれば土台は作れます。栃木県内での進め方について相談したい場合は、運営会社の事業内容をご確認のうえ、お問い合わせからご連絡ください。