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栃木の有効求人倍率1.09倍|統計を生成AIで読み解く手順

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栃木の有効求人倍率1.09倍|統計を生成AIで読み解く手順

栃木労働局が公表した令和8年7月分の主要労働指標で、栃木県の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍でした。同じ月の全国は1.18倍で、栃木県の全国順位は35位です。「人が採れない」という現場の実感を、毎月出る公的統計でどこまで裏付けられるのか。この記事では県の数字の読み方を4つの角度から整理し、そのうえで毎月の統計読みと社内共有のどこまでを生成AIに任せてよいかを線引きします。結論から言うと、任せてよいのは「数字の整形と社内文書の下書き」までで、採用計画の判断そのものは人が持ちます。

この記事の要点

  • 栃木県の有効求人倍率(季節調整値)は令和8年7月で1.09倍。全国は1.18倍で、県の全国順位は35位。5月30位・6月34位から下がっている。
  • 原数値でみると正社員の有効求人倍率は0.98倍。求人側は前年より増えているのに、月間有効求人の総数は前年同月比4.0%減で、有効求職者は2.1%増。
  • 所別の有効求人倍率は0.78倍から1.24倍まで開く。県の平均だけで自社の採用環境を判断すると読み違える。
  • 生成AIに渡してよいのは公表済みの統計値と自社の集計値。応募者の氏名・履歴書・面接メモは入力しない。
  • 県内には栃木働き方改革推進支援センター(無料相談)ととちぎビジネスAIセンターがあり、統計の読みとAI活用の相談先を分けて使える。

栃木の有効求人倍率は1.09倍|全国1.18倍との差と全国35位

季節調整値でみた令和8年7月の数字

栃木労働局の最近の雇用失業状況(令和8年7月分)によると、令和8年7月の栃木県の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍です。同じ月の全国は1.18倍で、栃木県は全国を0.09ポイント下回っています。

令和8年7月の有効求人倍率が栃木県1.09倍・全国1.18倍で、栃木県の全国順位が35位、新規求人倍率が2.10倍であることを示した図
栃木県と全国の有効求人倍率(季節調整値・令和8年7月)

「1.09倍」は、求職者1人あたりに求人が1.09件ある状態を指します。1倍を超えているので求人のほうが多いのですが、全国平均より低いという位置です。

全国順位は30位から35位へ下がっている

同じ資料で県の全国順位を並べると、動きが見えます。

年月 栃木県の有効求人倍率(季調値) 全国順位 全国の有効求人倍率(季調値)
令和7年(年平均) 1.17倍 28位 1.22倍
令和8年5月 1.12倍 30位 1.17倍
令和8年6月 1.09倍 34位 1.18倍
令和8年7月 1.09倍 35位 1.18倍

倍率そのものは6月と7月で同じ1.09倍ですが、順位は34位から35位へ動いています。全国が1.18倍で横ばいなので、他県との相対的な差が広がっている読み方になります。令和7年の年平均では28位でしたから、1年のあいだに順位が下がってきた流れです。

新規求人倍率は2.10倍で全国と並ぶ

一方、新規求人倍率(季節調整値)は栃木県2.10倍、全国2.10倍で並んでいます。新規求人倍率はその月に新しく出た求人と新しく登録した求職者の比なので、動きが速い指標です。

有効求人倍率が全国を下回っているのに新規求人倍率は並ぶ、という組み合わせは「新しい募集は出ているが、既に出ている求人が埋まらずに積み上がっているわけでもない」状態を示します。次の節の原数値でもう少し踏み込みます。

原数値で見える3つのずれ|正社員0.98倍・求職者は増・求人総数は減

正社員の有効求人倍率は0.98倍

季節調整をかけない原数値でみると、令和8年7月の栃木県は次のようになります。

令和8年7月の栃木県で新規求人が13,258件と2.0%増、月間有効求人が35,354件と4.0%減、月間有効求職者が33,298人と2.1%増であることを三段で示した図
求人と求職の前年同月比(原数値・令和8年7月)
指標(原数値・令和8年7月) 数値 前年同月比
新規求人倍率 2.18倍 –
有効求人倍率 1.06倍 –
正社員の有効求人倍率 0.98倍 –
新規求人数 13,258件 2.0%増
うち製造業の新規求人 1,982件 –
月間有効求人数 35,354件 4.0%減
うち正社員の月間有効求人 18,881件 –
新規求職者数 6,073人 1.1%減
月間有効求職者数 33,298人 2.1%増
就職件数 1,564件 –

一番目を引くのは正社員の有効求人倍率0.98倍です。1倍を割っているので、正社員を希望する求職者の数に対して正社員求人が足りていません。なお同じ資料の注記どおり、この倍率の分母には派遣労働者や契約社員を希望する人も含まれるため、厳密な意味での正社員求人倍率よりは低めに出ます。数字を社内で共有するときは、この注記まで一緒に渡しておくと誤解が減ります。

求職者は増えているのに有効求人の総数は減っている

3つの前年同月比を並べると、方向がそろっていません。

  • 新規求人数 13,258件は前年同月比2.0%増
  • 月間有効求人数 35,354件は前年同月比4.0%減
  • 月間有効求職者数 33,298人は前年同月比2.1%増

新しい募集は増えているのに、月をまたいで残っている求人の総数は減っている。そして求職者側は増えている。この3つが同時に起きると、有効求人倍率は下がります。実際に県の倍率は1年前の水準から下がっています。

現場の言葉に置き換えると、「募集は出しているが、長く出し続けるのをやめた求人がある」「一方で仕事を探している人は少し増えている」という状況です。採用の難易度が一律に上がったというより、求人の出し方と求職者の中身のかみ合わせが変わっている、と読むほうが実態に近いはずです。

倒産と雇用保険の数字も同じ資料に載っている

同じ主要労働指標には、企業倒産(1千万円以上)が令和8年7月で21件、前年同月差で4件増と載っています。6月は27件で前年同月差15件増でした。雇用保険の受給者実人員は7,634人で前年同月比2.9%減、受給資格決定件数は1,590件で4.6%減です。

倒産件数が増えているのに雇用保険の受給者は減っている、という組み合わせも一見ねじれています。倒産件数は月ごとの振れが大きいので、1か月の数字で傾向を断定せず、6月と7月を並べて見る程度にとどめるのが安全です。

所別の倍率は0.78倍から1.24倍まで開く|求人が最も多い宇都宮所は1.22倍

県平均だけで自社の採用環境を決めない

栃木労働局は安定所(ハローワーク)ごとの倍率も毎月公表しています。地域別求人倍率(原数値・令和8年7月)によると、パートタイムを含む有効求人倍率は所別で0.78倍から1.24倍まで開いています。

栃木県の安定所別の有効求人倍率が0.78倍から1.24倍まで開き、県全体は1.06倍、求人が最も多い宇都宮所は有効求人14,643件・有効求職者12,019人で1.22倍であることを示した図
安定所別の有効求人倍率の幅と宇都宮所の数字

県全体は1.06倍ですが、その平均の中に0.78倍の所と1.24倍の所が同時に入っている、ということです。0.78倍の地域では求職者のほうが多く、1.24倍の地域では求人のほうが多い。採用の打ち手としては、この2つは正反対の設計になります。

求人数が最も多い宇都宮所の数字

所別で求人数が最も多いのは宇都宮所です。令和8年7月の原数値(パートタイムを含む)で、有効求人14,643件、有効求職者12,019人、有効求人倍率は1.22倍でした。県全体の有効求人35,354件のうち4割強が宇都宮所の管内という規模になります。

なお県全体でパートタイムを除いた有効求人倍率は1.15倍、新規求人倍率は2.02倍です。パートを含めるか除くかで倍率は変わるので、社内資料に載せるときはどちらの区分かを必ず書き添えてください。

自社の商圏の所を確認する手順

自社に近い数字を取るなら、次の順で見ます。

  1. 事業所の所在地を管轄する安定所を確認する(宇都宮・小山・栃木・足利・佐野・鹿沼・真岡・日光・大田原・黒磯・矢板)。
  2. 地域別求人倍率のPDFで、その所のパートを含む有効求人倍率とパートを除く有効求人倍率を両方拾う。
  3. 県全体の数字と並べ、自社の商圏が県平均より上か下かを1行で書く。
  4. 複数拠点があるなら拠点ごとに同じ作業をする。拠点間で採用の難しさが違うことが数字で説明できるようになります。

この4手順を毎月やると10分程度かかります。ここが次の節で生成AIを使う場所です。

毎月の統計読みに生成AIを使う|渡してよい資料と入れない情報

PDFを丸ごと貼らず、必要な行だけを渡す

栃木労働局の主要労働指標は表が横に長く、列の意味が見出し2段になっています。PDFをそのままコピーして生成AIに貼ると、列と数字の対応が崩れて別の項目の値を答えてくることがあります。実際にこの記事の準備でも、所名と倍率の並びが機械的な抽出で入れ替わる現象が起きました。

統計を読む作業のうち生成AIに任せてよい範囲と、人が持つべき読み取り・採用計画の判断・応募者情報の取り扱いを左右に分けた図
生成AIに任せる範囲と、人が持つ範囲

安全なやり方は、自分で読み取った値だけを箇条書きにして渡すことです。

  • 数値は自分の目で表から拾い、「項目名:値:単位:年月」の形で書く
  • 前年同月比は資料に書かれている値をそのまま使い、生成AIに再計算させない
  • 注記(季節調整値か原数値か、パートを含むか除くか)を一緒に渡す

生成AIに任せる範囲と人が決める範囲

任せてよい 人が持つ
拾った数値の表組みへの整形 数値を統計表から読み取る作業
社内共有メールや会議資料の下書き 採用計画・人員計画の判断
前月との差を説明する文章の言い換え 数字の因果関係の断定
求人原稿の表現候補出し 賃金・待遇の決定
用語の解説文(有効求人倍率とは何か) 個人が特定できる応募者情報の取り扱い

応募者の氏名、履歴書、面接メモ、社員の個人別賃金は入力しません。統計の読みに必要な情報ではないからです。求人票そのものの書き方は求人票と採用文書の生成AI活用6場面で別に整理しています。

そのまま使える指示文の型

拾った数字を社内共有用にまとめるときの指示文です。角かっこの中は自社の値に置き換えて使ってください。

あなたは中小企業の総務担当の文章を整える編集者です。
以下の数値だけを使い、社内会議用の共有メモを作ってください。

【前提】
- 出典:栃木労働局「最近の雇用失業状況(令和8年7月分)」
- 区分:季節調整値

【数値】
- 栃木県の有効求人倍率:1.09倍
- 全国の有効求人倍率:1.18倍
- 栃木県の全国順位:35位
- 当社の商圏の所別有効求人倍率(パート含む・原数値):[自社で拾った値]倍

【条件】
- 400字以内、見出しなし、箇条書き3つと結び1文
- 数値は上の値だけを使い、計算・丸め・推定をしない
- 増減の理由を断定せず、「という読み方ができる」の形でとどめる
- 専門用語は初出で1行の説明を添える

出てきた文章は、数値が指示どおりか、勝手な理由づけが入っていないかを必ず目で確認します。ここを飛ばすと、根拠のない因果関係が社内資料に残ります。

数字を打ち手に変える|県内の業種に当てはめる

製造業の新規求人1,982件をどう読むか

令和8年7月の県内の新規求人13,258件のうち、製造業は1,982件でした。栃木県は自動車・航空をはじめとする輸送機械や医療機器の産業集積を県が打ち出している地域で、医療機器の生産金額は令和5年に3,057億円で全国2位です。製造業の求人が県の新規求人の1割強を占めるのは、この産業構造を反映しています。

栃木県の製造業の新規求人1,982件と正社員の有効求人倍率0.98倍という数字から、書類と転記を数える・正社員枠に組み替える・仕事の切り出しという3つの打ち手を放射状に並べた図
県の数字から取りうる3つの打ち手

製造の現場で採用が読めないときの打ち手は、募集条件をいじる前に「いま人が張り付いている仕事のうち、書類と転記はどれだけか」を数えることです。県内製造業の現場では、日々の生産記録、不適合の報告、取引先向けの品質文書が人手を食います。品質文書の整え方は医療機器の品質文書を生成AIで作る4原則、現場の書類全般は自動車部品製造×生成AIの業務改善5つの実践例で扱っています。

正社員0.98倍が意味すること

正社員の有効求人倍率が1倍を割っているのは、正社員を希望する人のほうが多いという状態です。裏を返せば、正社員枠で募集を出せば応募が来る可能性が相対的に高い、ということでもあります。パートで募集して集まらない仕事を、正社員枠に組み替えて成立させられないかを検討する余地があります。

ただしこれは求人の出し方の話なので、賃金と業務量の裏付けが必要です。正社員枠に組み替えるなら、その仕事を1日8時間で埋められるかを先に確認してください。埋まらない分を残業で吸収する設計にすると、採用できた直後に労務の問題が立ちます。

仕事の切り出しという別の打ち手

求人倍率が動かない前提で人手を確保するなら、仕事の切り出しが選択肢になります。1人分の仕事をそのまま募集するのではなく、切り出した作業単位で任せる考え方です。障害者雇用の文脈で整理した法定雇用率2.7%と仕事の切り出しの手順は、短時間勤務やシニアの受け入れにも同じ形で使えます。

県内で使える窓口|統計の読みとAI活用を分けて相談する

栃木県内には、労務の相談とAI活用の相談を別の窓口で受けられる仕組みがあります。持ち込む先を分けておくと、相談の往復が減ります。

労務の相談は栃木働き方改革推進支援センター

厚生労働省の委託事業として全国社会保険労務士会連合会が設置している栃木働き方改革推進支援センターは、労務管理の専門家が無料で個別相談に応じます。電話は0120-800-590、平日9時から17時です。人材の確保・定着、同一労働同一賃金、生産性向上による賃上げなどを扱うので、求人倍率の数字を自社の労務条件にどう反映するかという相談先になります。

AI活用の相談はとちぎビジネスAIセンター

AI導入そのものは、栃木県産業振興センターが運営するとちぎビジネスAIセンターが相談先です。県のとちぎデジタル戦略2026-2030にも中小企業のデジタル化支援が位置づけられています。センターの使い方はとちぎビジネスAIセンターの使い方と支援3分野、県の補助・支援制度の全体像は栃木県の中小企業向けAI導入補助金・支援制度まとめで整理しています。

どちらでもない相談先

賃金や労働条件そのものの相談は、栃木県労働委員会や栃木労働局の窓口もあります。統計の数字の出どころを確認したいだけなら、公表資料の注記を読むほうが早い場面もあります。どの窓口に何を持ち込むかを先に決めておいてください。

よくある質問

Q. 栃木県の有効求人倍率はどこで毎月確認できますか。

栃木労働局の最近の雇用失業状況のページに月別のPDFが並んでいます。安定所ごとの倍率は地域別求人倍率のページに別のPDFで出ます。令和8年9月時点で公表されている最新は7月分です。

Q. 季節調整値と原数値はどちらを見ればよいですか。

月ごとの傾向や他県との比較には季節調整値を使います。自社の商圏の実数や、求人数・求職者数そのものを見たいときは原数値です。両方を混ぜて1つの表に並べないでください。

Q. 全国順位が下がったのは県の景気が悪いからですか。

1か月の順位の動きから景気の判断はできません。栃木県の倍率は6月と7月で1.09倍と同じで、全国が1.18倍で横ばいのなかで順位が1つ下がっています。他県の動きの影響も入るため、順位は参考程度に見て、倍率そのものと求人・求職の実数の動きで判断してください。

Q. 正社員の有効求人倍率が0.98倍なら、正社員は採りやすいということですか。

その可能性はありますが、資料の注記どおり分母には派遣や契約社員を希望する人も含まれるため、実際の正社員求人倍率より低めに出ます。募集条件と賃金の裏付けをつけたうえで、自社の商圏の所別数字と合わせて判断してください。

Q. 統計のPDFを生成AIに読ませてもよいですか。

公表済みの統計なので入力しても差し支えありませんが、表が横に長い資料は列と数字の対応が崩れやすく、別の項目の値を答えてくることがあります。自分で読み取った値を「項目名:値:単位:年月」の形で渡すほうが確実です。

Q. 応募者の情報を生成AIに入れて選考の参考にしてもよいですか。

この記事の範囲では入力しません。統計を読むのに応募者の個人情報は必要ありません。選考への利用は個人情報の取り扱いと公平性の論点が別に立つため、社内ルールを決めてから扱う領域です。社内ルールの作り方は生成AIガイドラインの作り方を参照してください。

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参考・出典