この記事の要点
栃木県の事業者向けの補助金・助成金は、1つの一覧にまとまっていません。県の各課のページ、公益財団法人栃木県産業振興センターの「助成金情報」、市町が財源を出す制度の3か所に分かれています。
令和8年度の主な制度を公募時期で並べると、早見表に載せた8制度のうち7制度は10月2日までに受付を終えていました。2026年10月4日時点で受付中と確認できたのは、12月25日まで募集している「とちぎグリーン成長産業創出支援事業」です。
いずれも対象となる場合があります(要件審査あり・支給を保証するものではありません)。この記事では、一覧の見出しラベル、助成率と上限額の読み方、生成AIで募集要領を比べる手順を整理します。
栃木県の補助金一覧はどこにあるか|県・産業振興センター・市町の3層
産業振興センターの「助成金情報」
いちばん一覧に近いのは、栃木県産業振興センター「助成金情報」です。センターが運用するファンドや基金を財源にした助成事業の公募、採択結果、交付決定が新しい順に並びます。とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業、フードバレーとちぎ農商工ファンド活用助成事業、栃木県中小企業等海外出願支援事業などがここに載ります。

とちぎ未来チャレンジファンドは、独立行政法人中小企業基盤整備機構、株式会社足利銀行、株式会社栃木銀行、栃木県、公益財団法人栃木県産業振興センターが出資する総額45億円のファンドで、その運用益が助成の財源です(栃木県産業振興センター「とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業の第2次募集について」)。
県の各課のページ
県が直接募集する制度は、担当課のページに個別に載ります。たとえば、とちぎグリーン成長産業創出支援事業は産業政策課の報道発表、栃木県特別高圧受電中小企業等支援補助金(第8期)の募集要領(PDF)と社会課題解決スタートアップ企業応援事業は経営支援課のページにあります。担当課が違うと掲載場所も違うため、県のサイト内を1か所見ただけでは全体がつかめません。
市町が財源を出す制度
中小企業高度化・事業創出助成事業は、センターが窓口ですが、対象は宇都宮市、鹿沼市、日光市、真岡市、下野市、上三川町、芳賀町、壬生町、高根沢町に主たる事務所又は事業所を有する中小企業者です。財源は、宇都宮市・真岡市・芳賀町・高根沢町が出捐した高度技術振興基金の運用益と、高度技術産学連携地域からの負担金です。一覧で見つけても、所在地で対象外になる制度があるということです。
令和8年度の公募時期の早見表|7制度は10月2日までに受付終了
早見表
各制度の公式ページで確認した令和8年度の公募期間です。状態は2026年10月4日時点の判断です。

| 制度 | 窓口 | 公募期間(令和8年度) | 状態 |
|---|---|---|---|
| 栃木県特別高圧受電中小企業等支援補助金(第8期) | 県 経営支援課 | 申請受付は6月30日まで | 受付終了 |
| サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル構築支援事業補助金 | 県 | 4月20日〜5月27日 | 受付終了 |
| 地域課題解決型創業支援補助金(2次募集) | 産業振興センター | 6月16日〜7月8日 | 採択結果を公表(6件) |
| 中小企業高度化・事業創出助成事業 | 産業振興センター | 6月11日〜7月31日 | 募集終了 |
| 栃木県中小企業等海外出願支援事業(二次募集) | 産業振興センター | 7月17日〜8月14日 | 受付終了 |
| とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業(第2次) | 産業振興センター | 8月17日〜9月30日 | 募集終了 |
| フードバレーとちぎ農商工ファンド活用助成事業(2次公募) | 産業振興センター | 8月26日〜10月2日 | 受付終了 |
| とちぎグリーン成長産業創出支援事業 | 県・産業振興センター | 5月1日〜12月25日 | 受付中 |
出典は、サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル構築支援事業補助金のチラシ(PDF)、地域課題解決型創業支援補助金(2次募集)の採択結果、海外出願支援事業の二次募集、フードバレーとちぎ農商工ファンド活用助成事業の2次公募と、上で挙げた各ページです。
10月以降に受付中と確認できたもの
とちぎグリーン成長産業創出支援事業は、カーボンニュートラル社会の実現に資する技術開発を、事業化の検討段階から実用化開発まで支援する制度です。募集期間は令和8(2026)年5月1日(金曜日)から12月25日(金曜日)までです(栃木県「令和8(2026)年度とちぎグリーン成長産業創出支援事業の募集について」)。対象は県内に事業所を有する中小企業・中堅企業(みなし大企業は除く)と、中小企業を実施主体とする連携体です。区分はFS調査助成事業、インキュベーション研究助成事業、実用化開発助成事業の3つで、助成率は中小企業・中堅企業等が3分の2以内です。
県内の自動車部品や医療機器のメーカーが、取引先から脱炭素の取り組みを求められている場合は、この制度が候補になります。排出量の算定から始める段階なら、CO2排出量の算定と回答資料を生成AIで整えるが先の手順です。
来年度の目安にする
受付を終えた制度も、来年度の準備には使えます。とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業は、センターが事前予告を出したうえで、令和8年度は第1次を4月20日〜5月29日、第2次を8月17日〜9月30日に募集しました。同じ時期に公募がある保証はありませんが、春の公募に出すなら、冬のうちに事業計画の素材をそろえておく必要があります。
一覧の見出しラベルの読み方|募集終了・事前予告・採択結果・交付決定
センターの「助成金情報」は、見出しの先頭や末尾のラベルで状態を示しています。

まだ申請できるか
- 【募集終了】:受付が終わった公募です。ページは残るので、助成内容や期間を来年度の参考に読めます
- 【事前予告】:公募の前に、期間と助成内容を予告したものです。公募要領は公募開始の際に案内されます
すでに決まったか
- 採択結果:審査で採択された件数や事業者の一覧です。地域課題解決型創業支援補助金(2次募集)は6件が採択されました
- 交付決定:採択後に助成金の交付が決まったことの公表です。とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業(第1次)は交付決定が公表されています
ラベルのない公募ページは、本文の公募期間を必ず見てください。フードバレーとちぎ農商工ファンド活用助成事業の2次公募は10月2日午後5時までの募集でしたが、10月4日に確認した時点では、一覧の見出しにラベルが付いていませんでした。
助成率と上限額の読み方|「以内」「千円未満切り捨て」「1企業あたり」
助成率は「以内」で書かれている
センターの制度の多くは、助成率を「2/3」「3分の2以内」のように書いています。助成率は対象経費に掛ける割合の上限で、対象経費の範囲と区分ごとの上限額によって、受け取れる額は変わります。海外出願支援事業は「助成対象経費の2分の1以内(千円未満切り捨て)」と、端数の扱いまで書かれています。

上限額は区分ごとに違う
1つの制度の中で、区分ごとに上限が分かれていることがあります。とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業の第2次募集では、助成率はどの区分も2/3で、限度額は次のとおりでした。
| 区分 | 限度額 |
|---|---|
| 創業支援事業(新規創業支援) | 100万円 |
| 創業支援事業(創業後支援) | 50万円 |
| スタートアップ支援事業 | 300万円 |
| 技術高度化・製品開発等助成事業 | 500万円 |
| 生産性向上助成事業 | 300万円 |
| 販路開拓・認証取得助成事業 | 150万円 |
海外出願支援事業は、案件ごとの上限(特許出願150万円、実用新案・意匠・商標60万円、抜け駆け対策商標30万円)とは別に、1企業あたり2案件以内・上限額300万円という枠があります。
採択予定件数と審査会
フードバレーとちぎ農商工ファンド活用助成事業の2次公募は、採択予定件数を新商品等開発支援事業5件程度、販路開拓支援事業6件程度と示していました。海外出願支援事業は、審査会で申請者によるプレゼンテーション及びヒアリングを行うとしています。件数の目安と審査の形式は、準備にかける時間を決める材料になります。
支払いが年度をまたぐ制度
社会課題解決スタートアップ企業応援事業は、令和8年度に事業認定の申請を公募し、ふるさと納税による寄附を募ったうえで、補助金の交付申請と事業の実施は令和9(2027)年度に行う流れです。補助率は10分の10以内、補助上限額は500万円ですが、寄附目標額を上限として集まった寄附額に応じて交付されます。一覧の「上限」だけを見て資金計画を立てると、受け取る時期と額を読み違えます。
生成AIで募集要領を比べる手順
渡すものと指示
募集要領のPDFを3本並べて読むのは時間がかかります。生成AIには、公開されている募集要領の本文だけを渡し、次のように指示します。

- 「制度名・窓口・対象者・公募期間・助成率・上限額・対象経費・対象外経費・審査方法」の列で、比較表の下書きを作る
- 自社が対象外になる条件(所在地、みなし大企業、過去の受給など)を箇条書きで抜き出す
- 申請書類の一覧を、提出期限の近い順に並べる
原文と突き合わせる
比較表ができたら、数字と日付を1つずつ原文と突き合わせます。生成AIは、助成率の「以内」を落としたり、別の区分の上限額を混ぜたりすることがあります。比較表は社内の検討用にとどめ、申請の判断は原文と窓口への確認で行います。事業計画書の下書きの進め方は補助金の事業計画書を生成AIで書く5手順にまとめています。
入力しない情報
一般向けの生成AIサービスには、次を入力しないでください。
- 公表していない決算の数字、取引先名、受注予定
- 研究開発や出願前の発明・技術の内容
- 従業員の個人情報、賃金台帳
- GビズIDなど申請システムのログイン情報
県内の相談先と次の準備
相談先
- 栃木県産業振興センター:制度ごとに担当が分かれています。グリーン成長産業創出支援事業と中小企業高度化・事業創出助成事業は産業振興部 次世代産業支援チーム、海外出願支援事業は知的財産支援センター、地域課題解決型創業支援補助金は経営支援部 経営支援グループです
- 栃木県 産業政策課・経営支援課:県が直接募集する制度の問い合わせ先です
- とちぎビジネスAIセンター:生成AIやIoTの導入を一緒に考える相談先です。使い方はとちぎビジネスAIセンターの使い方で扱っています
次の準備
国の制度を含めたAI導入の支援は栃木県の中小企業向けAI導入補助金・支援制度まとめ、賃上げに関わる県の支援金と国の助成金は栃木の賃上げ支援金と助成金の早見表で整理しています。下期は、受付中の制度を確かめたうえで、来年度の春の公募に向けて事業計画の素材をそろえる時期です。
よくある質問
Q. 栃木県の補助金は一覧でまとめて見られますか。
A. 1つにはまとまっていません。産業振興センターの「助成金情報」、県の各課のページ、市町が財源を出す制度の3か所を見る必要があります。センターの「助成金情報」は、ファンドや基金を財源にした助成事業を新しい順に並べているので、最初に見る場所として向いています。
Q. 10月から申請できる県の補助金はありますか。
A. 2026年10月4日時点で受付中と確認できたのは、12月25日まで募集しているとちぎグリーン成長産業創出支援事業です。早見表に載せたほかの7制度は10月2日までに受付を終えていました。ほかの制度も含めて、最新の状態は各ページで確認してください。
Q. 「2/3以内」の助成率なら、必ず経費の3分の2が出ますか。
A. 出るとは限りません。助成率は上限の割合で、対象経費の範囲、区分ごとの上限額、審査の結果で額が決まります。対象となる場合があります(要件審査あり・支給を保証するものではありません)。
Q. 宇都宮市以外の事業所でも中小企業高度化・事業創出助成事業に申請できますか。
A. 対象は宇都宮市、鹿沼市、日光市、真岡市、下野市、上三川町、芳賀町、壬生町、高根沢町に主たる事務所又は事業所を有する中小企業者です。令和8年度の公募は7月31日で終了しています。
Q. 募集要領を生成AIに読ませても大丈夫ですか。
A. 公開されている募集要領の本文を渡して、比較表や要件の抜き出しの下書きを作らせるのは問題ありません。自社の未公表の数字、出願前の技術の内容、ログイン情報は入力しないでください。数字と日付は必ず原文と突き合わせます。
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参考・出典
- 栃木県産業振興センター「助成金情報」(2026年10月4日確認)
- 栃木県産業振興センター「令和8(2026)年度とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業の第2次募集について」
- 栃木県産業振興センター「【事前予告】令和8(2026)年度とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業の公募について」
- 栃木県産業振興センター「令和8年度フードバレーとちぎ農商工ファンド活用助成事業(助成金)の2次公募について」
- 栃木県産業振興センター「令和8年度栃木県中小企業等海外出願支援事業(助成金)の二次募集について」
- 栃木県産業振興センター「令和8(2026)年度中小企業高度化・事業創出助成事業助成金の公募について」
- 栃木県産業振興センター「令和8年度地域課題解決型創業支援補助金(2次募集)の採択結果について」
- 栃木県「令和8(2026)年度とちぎグリーン成長産業創出支援事業の募集について」
- 栃木県「栃木県特別高圧受電中小企業等支援補助金(第8期)募集要領」(令和8(2026)年5月1日版・PDF)
- 栃木県「令和8(2026)年度社会課題解決スタートアップ企業応援事業 認定事業を募集します」
- 栃木県「令和8年度 サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル構築支援事業補助金」(PDF)