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栃木の冬のボーナスの読み方|賞与の手取り計算表で何が変わるか

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栃木の冬のボーナスの読み方|賞与の手取り計算表で何が変わるか

この記事の要点

栃木県の毎月勤労統計調査(地方調査)では、2025年12月の「特別に支払われた給与」は、事業所規模5人以上の常用労働者1人平均で319,761円、30人以上で416,581円でした。これは賞与を受け取った人の平均ではなく、パートタイム労働者や賞与が出なかった人も含めた1人平均です。

2026年冬の賞与では、子ども・子育て支援金(0.23%、本人はその半分)が新しく加わり、雇用保険料の本人負担は5.5/1,000から5/1,000に下がりました。協会けんぽ栃木支部の健康保険料率は9.82%で前年度と同じです。この記事の数字は、2026年10月6日に県・協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省・国税庁の公表資料で確認しました。

県の統計で冬のボーナスを見る場所|毎月勤労統計の「特別に支払われた給与」

栃木県は、常用労働者5人以上の事業所を対象にした毎月勤労統計調査地方調査の結果を毎月公表しています。県内の冬の賞与の大きさを公的な統計で見るなら、12月分の「特別に支払われた給与」が手がかりになります。毎月の3つの数字の読み方は、栃木の賃金・労働時間データの読み方|毎月勤労統計の3つの数字で解説しています。

現金給与総額の下に、きまって支給する給与(所定内給与と超過労働給与)と特別に支払われた給与(賞与と結婚手当)が並ぶ構成図
現金給与総額は、きまって支給する給与と特別に支払われた給与の2つに分かれます

現金給与総額は2つに分かれる

県の公表資料では、現金給与総額は「きまって支給する給与」と「特別に支払われた給与」を足したものです。きまって支給する給与は、基本給や家族手当、超過勤務手当、通勤手当など、就業規則等であらかじめ算定方法が決まっている給与で、所定内給与と超過労働給与に分かれます。特別に支払われた給与は、賞与や結婚手当など、一時的または突発的な理由で払われた給与です。

冬のボーナスだけを集計した数字ではありません。それでも12月は多くの事業所が賞与を払う月なので、12月分の特別に支払われた給与が、県内の冬の賞与の大きさを映します。

2025年12月分の数字

栃木県「毎月勤労統計調査地方調査結果 栃木県の賃金、労働時間及び雇用の動き(令和7(2025)年12月分)」(2026年2月27日発表)の数字は次のとおりです。

項目(常用労働者1人平均) 事業所規模5人以上 事業所規模30人以上
現金給与総額 600,764円 728,733円
きまって支給する給与 281,003円 312,152円
特別に支払われた給与 319,761円 416,581円

現金給与総額の名目賃金指数は、前年同月比で5人以上が2.9%増、30人以上が4.0%増でした。物価の動きを除いた実質賃金指数は、5人以上で0.9%増、30人以上で2.1%増です(栃木県「栃木県の賃金、労働時間及び雇用の動き 令和7(2025)年12月」(PDF))。

2025年12月分は2026年2月27日に発表されたので、2026年12月分も同じ時期が目安です。公表日は県が決めるため、県の報道発表のページで確かめてください。

319,761円を「ボーナスの平均」と読まない3つの理由

この数字をそのまま「栃木の冬のボーナスの平均」と読むと、自社の賞与と比べるときに判断を誤ります。理由は3つあります。

左に3つの理由の箱、中央に常用労働者1人平均の関門、右に県全体の12月の支払いの大きさの箱を置いた図
3つの理由から、県の数字は1人がもらう額ではなく、県全体の12月の支払いの大きさとして読みます

賞与が出なかった人も分母に入る

特別に支払われた給与は、常用労働者1人平均の額です。12月に賞与を受け取らなかった人や、パートタイム労働者も分母に入っています。2025年12月末の県内の常用労働者(事業所規模5人以上)は757,902人で、パートタイム労働者比率は28.7%でした。男性は15.0%、女性は46.0%です(同調査の12月分の公表資料(PDF)第3表)。

12月に払われた分だけが入る

12月分の統計に入るのは、12月に支払われた分だけです。冬の賞与を11月や1月に払う事業所の分は、12月の数字には入りません。逆に、12月に払った結婚手当なども特別に支払われた給与に入ります。

男女・規模・産業で大きく違う

事業所規模5人以上で、特別に支払われた給与は男性430,075円、女性181,353円でした。女性はパートタイム労働者比率が46.0%と高く、1人平均が低く出ます。規模でも違い、30人以上に絞ると416,581円です。産業による違いはさらに大きく、次の節で見ます。

自社の数字を同じ物差しで出す

県の数字と自社を比べるなら、自社も同じ物差しで計算します。12月に払った賞与などの総額を、パートタイム労働者を含む常用労働者の人数で割った額です。賞与を受け取った人だけで割った平均を県の数字と並べると、自社が実際より高く見えます。県の数字は「1人がもらう額」ではなく、県全体の12月の支払いの大きさとして使います。

産業別に見る12月の特別給与|製造業と宿泊業・飲食サービス業で差が開く

同じ12月分の第1表には、産業別の数字が載っています。事業所規模5人以上の主な産業は次のとおりです(常用労働者1人平均)。

製造業522,384円、建設業256,337円、卸売業,小売業188,866円、宿泊業,飲食サービス業33,244円の横棒グラフ
2025年12月の特別に支払われた給与(事業所規模5人以上・常用労働者1人平均)。製造業と宿泊業,飲食サービス業で大きな差があります
産業 特別に支払われた給与 きまって支給する給与
調査産業計 319,761円 281,003円
製造業 522,384円 349,130円
運輸業,郵便業 361,738円 331,430円
建設業 256,337円 348,032円
医療,福祉 216,046円 269,546円
卸売業,小売業 188,866円 236,766円
宿泊業,飲食サービス業 33,244円 129,440円

自社の業種の行を読む

自動車部品や医療機器などの工場が集まる栃木では、製造業の行が多くの会社の比較対象になります。製造業の特別に支払われた給与は522,384円で、調査産業計の319,761円を大きく上回りました。30人以上の事業所に絞ると、製造業は578,773円です。

建設業は、きまって支給する給与が348,032円と製造業に近い一方で、特別に支払われた給与は256,337円でした。月々の給与と賞与の配分は業種で違うので、賞与だけを比べず、きまって支給する給与と並べて読みます。

宿泊業,飲食サービス業が低く出る理由

宿泊業,飲食サービス業は33,244円でした。この産業は12月の出勤日数が14.3日、総実労働時間が92.8時間と短く、短い時間で働く人が多いことが1人平均を押し下げています。賞与の水準が低いと決めつける前に、働き方の構成が違うことを踏まえて読みます。

「×」の行と規模の違い

鉱業,採石業,砂利採取業の行は「×」になっています。標本事業所がない、または少ないため公表しないという印です。5人以上と30人以上では同じ産業でも数字が違うので、自社の従業員数に近いほうの表を使います。

2026年冬の賞与で何が変わるか|天引きの料率を昨年の冬と比べる

賞与から天引きするのは、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料、子ども・子育て支援金、雇用保険料、源泉所得税です。2026年度(令和8年度)の料率を、昨年の冬の賞与と比べると次のようになります。

天引きするもの 2026年冬の賞与に使う率 昨年の冬からの変化
健康保険料(協会けんぽ栃木支部) 9.82%(本人はその半分) 変わらない(令和7年度も9.82%)
子ども・子育て支援金 0.23%(本人はその半分) 新しく加わった(令和8年4月分から)
介護保険料(40〜64歳) 1.62%(本人はその半分) 令和8年3月分からこの率
厚生年金保険料 18.3%(本人はその半分) 変わらない(18.3%で固定)
雇用保険料(一般の事業) 本人5/1,000 本人5.5/1,000から下がった
源泉所得税 令和8年分の算出率の表 令和8年分の表を使う

加わったもの|子ども・子育て支援金

全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度都道府県単位保険料率」によると、令和8年4月分(5月納付分)からは、健康保険料率に全国一律の子ども・子育て支援金(0.23%)が加わります。賞与にかかる保険料は標準賞与額に料率をかけて計算するので、2026年冬の賞与は、支援金が加わってから迎える初めての冬の賞与です。事業主と折半するので、本人の負担は0.115%分です。

下がったもの|雇用保険料の本人負担

厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」(PDF)によると、2026年4月1日から2027年3月31日までの一般の事業の雇用保険料率は13.5/1,000で、労働者負担は5/1,000、事業主負担は8.5/1,000です。令和7年度は労働者負担5.5/1,000、事業主負担9/1,000でした。農林水産・清酒製造の事業と建設の事業は、労働者負担が6/1,000です。

変わらないもの|健康保険料率と厚生年金保険料率

協会けんぽ栃木支部の健康保険料率は、令和8年3月分から9.82%で、令和7年度と同じです。全国一律の介護保険料率は1.62%で、40歳から64歳までの人(介護保険第2号被保険者)にかかります。厚生年金保険料率は、日本年金機構「厚生年金保険料額表」のとおり18.3%で固定されています。

源泉所得税は令和8年分の算出率の表で

賞与の源泉所得税は、国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」(PDF)で率を決めます。表は令和7年の財務省告示で改正されたもので、前月の社会保険料等控除後の給与の額と扶養親族等の数から、「賞与の金額に乗ずべき率」を引きます。

賞与の手取り計算表|協会けんぽ栃木支部の料率で計算する

計算の順番

  1. 賞与の額面から1,000円未満を切り捨てて、標準賞与額を出す
  2. 健康保険料=標準賞与額×9.82%÷2
  3. 子ども・子育て支援金=標準賞与額×0.23%÷2
  4. 介護保険料(40〜64歳のみ)=標準賞与額×1.62%÷2
  5. 厚生年金保険料=標準賞与額×18.3%÷2
  6. 雇用保険料=賞与の額×5/1,000
  7. 源泉所得税=(賞与の額−2から6の合計)×算出率
  8. 手取り=賞与の額−2から7の合計

標準賞与額の上限は、健康保険が年度の累計573万円、厚生年金保険が1か月あたり150万円です(日本年金機構「賞与を支給したときの手続き」)。

賞与の額面から標準賞与額、5つの保険料、源泉所得税を経て手取りに至る計算の流れ図
賞与の額面から標準賞与額を出し、社会保険料等と源泉所得税を順に引いて手取りを出します

計算例|額面40万円・扶養親族等0人の場合

前月の社会保険料等控除後の給与が26万円、扶養親族等が0人の人に、額面40万円の賞与を払う例です。算出率の表では、扶養親族等0人で「260千円以上309千円未満」の欄に当たるので、率は6.126%です。

項目 40歳未満 40〜64歳
標準賞与額 400,000円 400,000円
健康保険料(9.82%の半分) 19,640円 19,640円
子ども・子育て支援金(0.23%の半分) 460円 460円
介護保険料(1.62%の半分) かからない 3,240円
厚生年金保険料(18.3%の半分) 36,600円 36,600円
雇用保険料(5/1,000) 2,000円 2,000円
社会保険料等の合計 58,700円 61,940円
源泉所得税(6.126%) 20,908円 20,709円
手取り 320,392円 317,351円

源泉所得税は、40歳未満なら(400,000円−58,700円)×6.126%で20,908円、40〜64歳なら(400,000円−61,940円)×6.126%で20,709円です(1円未満は切り捨て)。この例では、子ども・子育て支援金が460円加わり、雇用保険料は令和7年度の率(5.5/1,000)なら2,200円だったところが2,000円になります。

算出率の表の引き方

扶養親族等の数によって、同じ給与でも率が変わります。令和8年分の表(甲欄)の一部です。

賞与の金額に乗ずべき率 扶養親族等0人 扶養親族等1人 扶養親族等2人
4.084% 94千円以上260千円未満 250千円以上289千円未満 276千円以上321千円未満
6.126% 260千円以上309千円未満 289千円以上346千円未満 321千円以上377千円未満
8.168% 309千円以上342千円未満 346千円以上373千円未満 377千円以上400千円未満

欄の金額は、前月の社会保険料等控除後の給与等の金額です。前月に給与の支払いがない場合などは表の使い方が変わるので、国税庁の表の注記で確認します。端数の扱いや扶養親族等の数え方は、給与計算ソフトの設定とあわせて確かめてください。

賞与を払った後の届出|賞与支払届と保険料の納付

支給日から5日以内に賞与支払届

日本年金機構によると、事業主が被保険者や70歳以上の被用者に賞与を払ったときは、支給日から5日以内に「被保険者賞与支払届」で支給額等を届け出ます。届出用紙は、登録されている賞与支払予定月の前月に、被保険者の氏名や生年月日を印字して事業所へ送られます。届け出た内容で標準賞与額が決まり、保険料額と将来の年金額の計算の基礎になります。

保険料は翌月の納入告知書で納める

賞与にかかる保険料は、毎月の保険料と合算され、賞与支払月の翌月の納入告知書(口座振替の場合は納入告知額通知書)で通知されます。月末までに納めます。

県内の相談先

健康保険の料率や給付は協会けんぽ栃木支部、賞与支払届は事業所を管轄する年金事務所、雇用保険は栃木労働局とハローワーク、源泉所得税は所轄の税務署が窓口です。年末の源泉徴収の流れは、年末調整の準備を生成AIで整える|栃木の中小企業と令和8年分にまとめています。

生成AIに任せる作業と任せない作業

賞与の計算は料率と表で決まるので、計算そのものは給与計算ソフトと人の確認で行います。生成AIは、説明文や確認の手順を整える作業に向いています。

下書きに使えるものと入力しないものの2列と、下段の人が決めることの箱を並べた図
生成AIは説明文や要約の下書きに使い、個人の情報は入力せず、支給額や評価は人が決めます

下書きに使えるもの

  • 賞与の支給案内文:支給日、明細の見方、天引きで変わった点(子ども・子育て支援金と雇用保険料)を社員に知らせる文
  • 計算式の説明文:この記事の「計算の順番」を、自社の明細の項目名に置き換えた説明
  • 県の統計の要約:県のPDFから必要な行だけを貼り、何を表す数字かを要約させる

入力しないもの

個人別の支給額、評価、氏名、扶養の状況、マイナンバーは入力しません。氏名を消しても、支給額と部署の組み合わせで個人が分かることがあります。社内のルールは生成AIガイドラインの作り方|A4 2枚・必須6項目を参考に決めておきます。

人が決めること

支給額と算定の基準、評価、料率が最新かどうかの確認は人が行います。生成AIが示した料率や表の欄は、この記事で挙げた一次情報と必ず突き合わせます。

指示文の例です(金額は架空です)。

次の料率で、額面400,000円の賞与から引く金額を順番に計算し、途中の式を表にしてください。健康保険9.82%、子ども・子育て支援金0.23%、厚生年金18.3%(いずれも本人は半分)、雇用保険5/1,000。最後に、どの料率を一次情報で確認すべきかを箇条書きにしてください。

総務・経理の文書づくりでの使い方は、総務・経理の生成AI活用7場面|栃木の中小企業にもまとめています。

よくある質問

Q. 栃木県の冬のボーナスの平均はいくらですか?

A. 県が公表している数字では、2025年12月の「特別に支払われた給与」が、事業所規模5人以上の常用労働者1人平均で319,761円、30人以上で416,581円です。パートタイム労働者や賞与が出なかった人を含む平均で、賞与を受け取った人の平均額ではありません。

Q. 2026年の冬の賞与から新しく引かれるものはありますか?

A. 子ども・子育て支援金です。協会けんぽでは令和8年4月分から0.23%が加わり、本人はその半分を負担します。

Q. 雇用保険料は賞与からも引きますか?

A. 引きます。令和8年度の一般の事業の本人負担は5/1,000で、令和7年度の5.5/1,000から下がりました。

Q. 賞与支払届はいつまでに出しますか?

A. 支給日から5日以内です。日本年金機構から、賞与支払予定月の前月に届出用紙が送られます。

Q. 2026年12月分の県の数字はいつ分かりますか?

A. 2025年12月分は2026年2月27日に発表されました。2026年12月分も同じ時期が目安ですが、公表日は県の報道発表で確認してください。

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参考・出典

数字は2026年10月6日に、次の公表資料で確認しました。