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栃木の賃金相場の早見表|年齢・産業別の所定内給与で何が変わるか

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栃木の賃金相場の早見表|年齢・産業別の所定内給与で何が変わるか

この記事の要点

  • 栃木県の賃金相場を公的統計で見るなら、厚生労働省の賃金構造基本統計調査が基本です。令和7年調査は2026年3月24日公表で、都道府県別・年齢階級別・産業別の表がe-Statにあります。
  • 栃木県の一般労働者の所定内給与額は317.7千円(男女計・月額)で、全国の340.6千円より22.9千円低く、茨城330.7千円と群馬308.4千円の間に位置します。
  • 年齢階級別では50〜54歳の364.2千円が頂点で、60〜64歳で301.9千円に下がります。
  • 製造業は333.5千円で全国の330.0千円を上回り、年間賞与も1,363.7千円と全国より多い水準です。
  • 生成AIには転記した表を文章にする役だけを任せ、数字は原表から自分で写します。

栃木の賃金相場はどの統計で見るか

賃金の相場を語る公的統計は複数ありますが、「年齢別・業種別の月給」を都道府県ごとに見たいときに使うのは、厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、この調査は毎年6月分の賃金について7月に実施され、雇用形態・職種・性・年齢・学歴・勤続年数などの区分で賃金の実態を明らかにするものです。

賃金構造基本統計調査が年齢階級・産業ごとの水準を、毎月勤労統計調査が月ごとの動きを示す統計であることを左右に分けて示す図
年1回の水準は賃金構造基本統計調査、月ごとの動きは毎月勤労統計調査で見る

毎月勤労統計調査との違い

栃木県統計課が毎月公表している毎月勤労統計調査(地方調査)は、県内事業所の現金給与総額や労働時間の「月ごとの動き」を追う統計です。栃木県統計課「毎月勤労統計調査」のページにあるとおり、こちらは常用労働者5人以上の事業所を対象に、賃金・労働時間・雇用の毎月の変化を見るためのものです。

一方、賃金構造基本統計調査は年1回で、年齢階級や産業ごとの「水準」を見る統計です。求人票に書く月給のレンジを決めたり、年齢層ごとの社内の賃金表を相場と比べたりするときは、こちらを使います。毎月勤労統計の読み方は栃木の賃金・労働時間データの読み方|毎月勤労統計の3つの数字で別にまとめています。

公表日と集計の範囲

令和7年調査の結果は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の結果を公表します」(令和8年3月24日)のとおり、2026年3月24日に公表されました。調査客体として抽出された79,321事業所のうち有効回答を得た59,836事業所から、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所52,242事業所について集計したものです。

つまりこの記事で扱う数字は「10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)」の値です。従業員が数人の事業所の相場とは前提が違うことを、社内で共有するときに添えてください。

栃木県の所定内給与は全国と比べてどうか

都道府県別の参考表は、e-Statの政府統計の総合窓口「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別」に「参考表1 都道府県別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(47都道府県一覧)」として置かれています。栃木県と全国、隣県の行をそのまま書き出すと次のとおりです(男女計・企業規模10人以上)。

所定内給与額を全国、茨城、栃木、群馬の順に高い方から低い方へ階段状に並べ、それぞれの千円の値を添えた図
所定内給与額は全国・茨城・栃木・群馬の順に並ぶ
区分 年齢(歳) 勤続年数(年) 所定内実労働時間数(時間) 超過実労働時間数(時間) きまって支給する現金給与額(千円) 所定内給与額(千円) 年間賞与その他特別給与額(千円)
全国 44.4 12.7 162 11 370.5 340.6 1,009.6
茨城 45.1 13.3 161 11 362.3 330.7 986.3
栃木 44.1 12.8 162 12 350.8 317.7 963.9
群馬 44.7 13.2 163 11 338.6 308.4 882.0
東京 43.4 12.6 159 10 448.5 418.3 1,397.8

「所定内給与額」が相場の基準になる理由

表には給与の列が2つあります。「きまって支給する現金給与額」は残業代などの超過労働給与を含む額、「所定内給与額」はそれを除いた額です。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」でも、概況で用いる「賃金」は6月分として支払われた所定内給与額の平均をいうと定義されています。

求人票の月給や社内の賃金表と比べるときは、残業の多さに左右されない所定内給与額を使うのが基本です。栃木県は317.7千円、全国は340.6千円で、差は22.9千円です。この差を「栃木は安い」と一言で片付けず、年齢構成や産業構成の違いが混ざった平均だと理解した上で次の表に進んでください。

男女別の値

同じ参考表には男女別の行もあります。栃木県の男性は所定内給与額346.2千円(全国373.4千円)、女性は264.6千円(全国285.9千円)です。男性は勤続年数14.1年・超過実労働時間数15時間、女性は勤続年数10.5年・超過実労働時間数7時間と、勤続と残業の差も表に出ています。

なお、概況の報道発表資料では、全国の男女間賃金格差(男=100)は76.6で、比較可能な昭和51(1976)年以降で格差が最も縮小したとされています。県別の格差の値は参考表に載っていないため、この記事では計算していません。

年齢階級別に読む栃木の賃金相場

年齢階級別の表は、同じe-Statの「都道府県別第1表 都道府県、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」にあります。ファイルは「栃木・群馬」のように2県ずつまとまっており、栃木県の産業計・男女計の行は次のとおりです(企業規模計・10人以上)。

栃木県の所定内給与額が20〜24歳から50〜54歳まで上がり60〜64歳で下がる曲線を、5つの年齢階級の点と千円の値で示す図
20代から50代前半まで上がり、60歳で下がる
年齢階級 年齢(歳) 勤続年数(年) 所定内給与額(千円) 年間賞与その他特別給与額(千円)
〜19歳 19.2 0.9 209.8 168.4
20〜24歳 23.0 2.3 236.2 503.3
25〜29歳 27.4 4.3 268.4 763.7
30〜34歳 32.6 7.1 301.5 910.6
35〜39歳 37.5 10.4 319.5 1,101.9
40〜44歳 42.5 12.6 335.6 1,109.6
45〜49歳 47.5 14.9 350.3 1,153.9
50〜54歳 52.4 17.4 364.2 1,169.3
55〜59歳 57.4 20.0 364.0 1,103.0
60〜64歳 62.3 22.5 301.9 929.7
65〜69歳 67.1 17.0 251.0 294.2
70歳〜 73.7 17.6 247.2 250.4

50〜54歳が頂点、60歳で下がる

栃木県の男女計は、20〜24歳の236.2千円から上がり続け、50〜54歳の364.2千円で頂点になります。55〜59歳は364.0千円でほぼ横ばい、60〜64歳で301.9千円に下がります。この「60歳の段差」は、定年後の再雇用で賃金が下がる実態がそのまま表に出たものです。

求人票を書くとき、「30代前半の相場は301.5千円」「40代前半は335.6千円」という言い方ができるのは、この表があるからです。ただし年齢階級の値は勤続年数の平均も一緒に載っているので、「30〜34歳で勤続7.1年の人の平均」であることまで読み取ってください。中途採用で勤続0年の人と比べる数字ではありません。

求人票の賃金レンジに落とすときの注意

年齢階級別の相場をそのまま求人票の月給に転記すると、年齢による賃金の差別と受け取られるおそれがあります。相場は「社内の賃金表が世間と離れていないか」を確かめる材料にとどめ、求人票には職務と経験で決めたレンジを書いてください。求人票の書き方そのものは求人票と採用文書の生成AI活用6場面|栃木県版で扱っています。

産業別に読む栃木の賃金相場

産業別の参考表は「参考表2 都道府県、産業別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(企業規模計)」です。栃木県の男女計の行から、県内の事業者に関係の深い産業を抜き出すと次のとおりです。全国計の行も並べます。

全国計との比較で、製造業と医療,福祉が上回る側、卸売業,小売業と情報通信業が下回る側に分かれることを左右で示す図
製造業と医療,福祉は全国計を上回り、卸売業,小売業は下回る
産業 栃木 所定内給与額(千円) 栃木 年間賞与その他特別給与額(千円) 全国計 所定内給与額(千円) 全国計 年間賞与その他特別給与額(千円)
建設業 337.7 809.5 366.3 1,163.4
製造業 333.5 1,363.7 330.0 1,137.9
情報通信業 377.9 1,698.7 406.0 1,418.5
運輸業,郵便業 296.5 489.6 312.7 658.2
卸売業,小売業 291.8 703.4 349.1 1,176.5
金融業,保険業 378.1 1,304.8 437.0 1,688.2
学術研究,専門・技術サービス業 366.7 1,387.5 440.3 1,481.4
宿泊業,飲食サービス業 267.0 338.3 277.2 389.6
教育,学習支援業 324.2 1,053.2 379.4 1,254.4
医療,福祉 319.4 895.5 315.7 732.7
サービス業(他に分類されないもの) 268.6 339.0 284.9 501.7

製造業と医療,福祉は全国を上回る

栃木県で全国計を上回っているのは、製造業(333.5千円、全国330.0千円)と医療,福祉(319.4千円、全国315.7千円)です。製造業は年間賞与も1,363.7千円と全国の1,137.9千円より多く、県内の自動車部品や医療機器の工場が賞与込みで見ると全国水準より手厚いことが分かります。

逆に、卸売業,小売業は291.8千円で全国の349.1千円との差が大きく、情報通信業や学術研究,専門・技術サービス業も全国より低い値です。県内でこれらの業種の求人を出す事業者は、「全国平均」ではなく「栃木の産業別の値」で相場を語らないと、応募者との認識がずれます。

産業別の値を社内で使うときの前提

産業別の値は、その産業に属する事業所で働く一般労働者全体の平均です。営業職も工場の技能職も事務職も混ざっています。職種別の相場が必要なら、同じ調査の職種別表(全国)を使い、都道府県の値は「その職種が県内でどの水準か」の補正材料として重ねる読み方になります。

栃木の製造業を年齢階級で読む

県内で最も労働者数が多い製造業について、年齢階級別の行を書き出します。栃木県の製造業・男女計は平均年齢43.8歳、勤続年数16.2年、所定内給与額333.5千円で、労働者数は表の単位(十人)で14,717、つまり147,170人です。

産業計と製造業の所定内給与額を20〜24歳と50〜54歳で並べ、若手では差がなく50〜54歳で製造業が高いことを示す2×2の図
若手は産業計と差がなく、50〜54歳で差が開く
年齢階級 所定内給与額(千円) 年間賞与その他特別給与額(千円)
20〜24歳 231.8 686.1
25〜29歳 271.9 1,011.3
30〜34歳 305.9 1,222.2
35〜39歳 331.2 1,384.3
40〜44歳 359.2 1,584.0
45〜49歳 376.5 1,571.3
50〜54歳 395.2 1,828.0
55〜59歳 389.3 1,609.0
60〜64歳 299.5 1,294.0

製造業は50〜54歳で395.2千円

産業計では50〜54歳の頂点が364.2千円でしたが、製造業に限ると395.2千円まで上がります。年間賞与も50〜54歳で1,828.0千円と最も多く、県内製造業の賃金カーブは産業計より勾配が急です。

一方で20〜24歳は231.8千円と産業計の236.2千円より低く、若手のうちは他産業と差がありません。「若手の月給は他業種と同じでも、賞与と勤続で差がつく」というのが県内製造業の構造で、採用の説明ではここを賞与込みの年収で示すと伝わりやすくなります。

医療,福祉と卸売業,小売業の若手の値

参考までに、同じ年齢階級別表から医療,福祉と卸売業,小売業の若手の所定内給与額を書き出すと、医療,福祉は20〜24歳255.3千円・25〜29歳277.7千円・30〜34歳323.6千円、卸売業,小売業は20〜24歳240.9千円・25〜29歳263.8千円・30〜34歳300.0千円です。医療,福祉は20代の値が製造業より高く、県内で若手の採用が競合する業種であることが数字に出ています。

栃木県内の相談先と一次資料の置き場

賃金の統計そのものや、賃金に関する相談は次の窓口が入口です。いずれも公的機関で、電話番号は各ページに記載のものです。

栃木労働局 労働基準部賃金室

栃木労働局「賃金統計調査結果情報」のページは、厚生労働統計一覧の賃金の項目へ案内しており、問い合わせ先として労働基準部賃金室(電話028-634-9109)が記載されています。賃金構造基本統計調査の調査票は、一括調査企業以外については都道府県労働局や労働基準監督署が回収しているため、調査の実務に関する質問もここが入口です。

栃木県統計課 人口労働統計担当

県内の毎月の賃金・労働時間の動きは、栃木県統計課「毎月勤労統計調査」のページから月報と年報を取れます。担当は統計課 人口労働統計担当(電話028-623-2246)です。年1回の水準(賃金構造基本統計調査)と毎月の動き(毎月勤労統計調査)を組み合わせると、「相場はいくらで、いま上がっているのか下がっているのか」を一枚で説明できます。

賃上げの支援制度との組み合わせ

相場との差を埋めるために賃上げを検討する場合、県や国の支援制度が使える場合があります。制度の一覧は栃木の賃上げ支援金と助成金の早見表|5%と3%で何が変わるかにまとめています。いずれも対象となる場合があります(要件審査あり・支給を保証するものではありません)。

生成AIに任せる範囲と任せない範囲

賃金の相場を社内資料や求人票に落とす作業は、生成AIとの相性が良い部分と悪い部分がはっきり分かれます。

生成AIの前にゲートを置き、数字を調べることは止め、転記した表を文章にすることだけを通し、出典と調査年を添えて出す流れを示す図
数字を調べる工程は通さず、転記した表を文章にする工程だけ通す

任せない:数字を調べること

生成AIに「栃木県の平均給与を教えて」と聞くと、調査年や統計の種類が混ざった答えが返ってきます。所定内給与額ときまって支給する現金給与額の区別、令和6年と令和7年の区別、10人以上の民営事業所という集計範囲は、AIの回答では落ちやすい情報です。数字はe-Statの参考表から自分で転記し、転記した表をAIに渡してください。

任せる:転記した表を文章にすること

転記した表を貼り付けた上で、次のような指示なら安心して任せられます。

  • 「この表をもとに、当社の30代前半の賃金表が栃木の相場と比べてどの位置かを3行で説明して」
  • 「製造業の年齢階級別の表から、賞与込みの年収の目安を若手向けの採用説明文にして。数字は表の値だけを使い、丸めないこと」
  • 「全国と栃木の差を、経営会議向けに『差の理由は年齢構成と産業構成の違いを含む平均である』という注意書き付きでまとめて」

出力には、使った表の出典(調査名・調査年・表番号)を必ず添えさせます。出典の無い文章は、あとで数字の根拠を聞かれたときに答えられません。

更新のタイミング

賃金構造基本統計調査は毎年3月ごろに前年分が公表されます。相場を書いた資料には「令和7年調査(2026年3月公表)」のように調査年を明記し、翌年の公表後に差し替える運用にしてください。景気全体の方向は栃木県景気動向指数の読み方|CI・DI・基調判断の早見表で追えます。

よくある質問

Q. 栃木県の平均月給はいくらですか。

A. 令和7年賃金構造基本統計調査(2026年3月24日公表)では、栃木県の一般労働者の所定内給与額は男女計317.7千円、男性346.2千円、女性264.6千円です。10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所で働く、短時間労働者以外の常用労働者の平均です。

Q. 全国と比べてどのくらい違いますか。

A. 全国の所定内給与額は340.6千円で、栃木県との差は22.9千円です。隣県では茨城330.7千円、群馬308.4千円で、栃木県はその間に位置します。

Q. 業種ごとの相場はどこで見られますか。

A. e-Statの「参考表2 都道府県、産業別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(企業規模計)」に47都道府県分が並んでいます。栃木県では製造業333.5千円、医療,福祉319.4千円、卸売業,小売業291.8千円などです。

Q. 求人票の月給に年齢別の相場をそのまま書いてもよいですか。

A. 年齢で賃金を区切る書き方は避けてください。相場は社内の賃金表の点検に使い、求人票には職務と経験で決めたレンジを書きます。

Q. 生成AIに栃木の賃金相場を調べさせてもよいですか。

A. 調べさせた数字をそのまま使うのは避けてください。統計の種類や調査年が混ざりやすいためです。e-Statから転記した表をAIに渡し、文章化だけを任せる分担にしてください。

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参考・出典