TOCHIGI AI JOURNAL

記事を読む 栃木のAI活用・補助金・研修設計を実務で使う
業務改善

栃木の事業所数と従業者数の読み方|経済センサスで何が変わるか

⏱ 約11分で読めます
栃木の事業所数と従業者数の読み方|経済センサスで何が変わるか

栃木県の民営事業所は80,062、従業者は870,819人です(令和3年経済センサス-活動調査、2021年6月1日現在)。事業所数では卸売業・小売業が最多ですが、従業者数では製造業が211,289人で群を抜きます。補助金の事業計画書や商談会の会社紹介で「地域の状況」を書くとき、栃木県に事業所がいくつあり、どの産業に人が多いのかを数字で示せると説得力が変わります。その元になるのが経済センサス-活動調査です。この記事では、栃木県が公表している令和3年調査の第1表を、事業所数・従業者数・1事業所あたり従業者数の3つの見方で読み替えます。2026年6月1日を基準日として次の調査が実施中で、この記事の数字はその結果が出るまでの最新値です。

この記事の要点

  • 栃木県の令和3年経済センサス-活動調査(令和5年9月14日公表)では、民営事業所数80,062(全国20位)、民営従業者数870,819人(全国19位)、1事業所あたり従業者数は10.9人です。
  • 事業所数の順では卸売業・小売業19,572、宿泊業・飲食サービス業9,099、建設業8,776、製造業8,064の順ですが、従業者数の順では製造業211,289人、卸売業・小売業159,007人、医療・福祉111,665人と並びが変わります。
  • 1事業所あたり従業者数は製造業26.2人、運輸業・郵便業21.9人に対して、不動産業・物品賃貸業3.4人、生活関連サービス業・娯楽業5.1人です。同じ「事業所」でも規模がまったく違います。
  • 令和8年経済センサス-活動調査は2026年6月1日現在で実施されています。結果が出るまでは令和3年調査の値を「2021年6月時点」と明記して使います。
  • 生成AIには第1表の該当行を貼り、自社の産業の位置を説明する文章の下書きを作らせます。表に無い数字を使わせず、人が出典の値と照合します。

栃木県の民営事業所は80,062|県全体の数字から読む

事業所数は全国20位・従業者数は全国19位

栃木県統計課は、令和3年経済センサス-活動調査の県の結果を確報としてまとめています。栃木県「令和3年経済センサス-活動調査結果」(令和5年9月14日公表)によると、県内の事業所数は82,105事業所(全国20位)、そのうち民営事業所は80,062事業所(全国20位)です。従業者数は930,023人(全国19位)、民営従業者は870,819人(全国19位)となっています。純付加価値額は4兆180億円で全国17位、企業等数は57,829企業、売上高は11兆9009億円です。

栃木県の民営事業所80,062(全国20位)、従業者870,819人(全国19位)、1事業所あたり10.9人、純付加価値額4兆180億円を大きな数字で並べた図
栃木県の経済センサス-活動調査の県全体の数字(令和3年調査)

この記事で以下に使う産業別の数字は、民営事業所を対象にした栃木県「第1表 産業大分類別民営事業所数、従業上の地位(6区分)、男女別従業者数及び1事業所当たり従業者数」(令和3年経済センサス-活動調査)の値です。事業内容が不詳の事業所は除かれています。

従業者870,819人の内訳

第1表によると、栃木県の民営事業所の従業者870,819人のうち、男性は488,661人、女性は373,281人です。従業上の地位で見ると、個人業主が26,447人、無給の家族従業者が8,270人、有給役員が61,019人、常用雇用者が758,677人(無期雇用者561,660人・有期雇用者197,017人)、臨時雇用者が16,406人です。

1事業所あたりの従業者数は10.9人です。全国の全産業は11.2人なので、栃木の事業所の平均規模は全国とほぼ同じ水準にあります。ここから、県内の事業所の大半が10人前後かそれ以下の小規模事業所だという像が見えてきます。少人数の事業所での進め方は栃木の小規模事業者向け生成AIで扱っています。

事業所数の多い産業|卸売・小売、宿泊・飲食、建設、製造の順

上位5産業で県内事業所の約3分の2

第1表(令和3年経済センサス-活動調査)の栃木県の行から、事業所数の多い産業を並べると次のとおりです。

栃木県の民営事業所数の上位5産業として、卸売業,小売業19,572、宿泊業,飲食サービス業9,099、建設業8,776、製造業8,064、生活関連サービス業,娯楽業7,365を上から順に5段の帯で並べた図
栃木県の民営事業所数が多い5産業(令和3年調査)
産業大分類 事業所数 従業者数
卸売業,小売業 19,572 159,007人
宿泊業,飲食サービス業 9,099 68,355人
建設業 8,776 54,688人
製造業 8,064 211,289人
生活関連サービス業,娯楽業 7,365 37,472人
医療,福祉 6,420 111,665人
サービス業(他に分類されないもの) 5,041 67,620人
不動産業,物品賃貸業 4,777 16,452人
学術研究,専門・技術サービス業 3,119 31,355人
教育,学習支援業 2,467 23,625人
運輸業,郵便業 2,110 46,313人
金融業,保険業 1,224 17,164人
農林漁業 785 8,917人
情報通信業 519 7,421人

第1表の値で見ると、卸売業・小売業だけで19,572事業所と、県内の民営事業所80,062の4分の1近くを占めます。上位5産業(卸売・小売、宿泊・飲食、建設、製造、生活関連サービス・娯楽)を合計すると52,876事業所で、県内のおよそ3分の2になります(合計は本記事の計算です)。

「事業所が多い」と「人が多い」は別の話

事業所数の順位をそのまま「栃木の主要産業」と読むと誤ります。第1表では、宿泊業・飲食サービス業は事業所数で2位ですが従業者数は68,355人で、製造業の3分の1程度です。事業所数は「店や現場の数」であり、雇用の大きさとは別に読む必要があります。

従業者数で並べ替えると製造業が211,289人で最多

製造業は事業所数4位・従業者数1位

同じ表を従業者数で並べ替えると、順位が入れ替わります。

左に事業所数の順で卸売業,小売業19,572、宿泊業,飲食サービス業9,099、建設業8,776、右に従業者数の順で製造業211,289人、卸売業,小売業159,007人、医療,福祉111,665人を並べ、順位が入れ替わることを示した図
事業所数の順と従業者数の順で上位3産業の並びが変わる
順位 事業所数の順 従業者数の順
1位 卸売業,小売業 19,572 製造業 211,289人
2位 宿泊業,飲食サービス業 9,099 卸売業,小売業 159,007人
3位 建設業 8,776 医療,福祉 111,665人

製造業は事業所数では8,064で4位ですが、従業者数では211,289人で1位です。県内の民営従業者870,819人のうち製造業が占める割合は約24.3%で、全国の全産業従業者57,949,915人に対する製造業8,803,643人の割合約15.2%を大きく上回ります(2つの割合は本記事が第1表の値から計算したものです)。

自動車部品、医療機器といった栃木の製造業の集積は、この「事業所数は4位、従業者数は1位」という数字に表れています。自動車では日産自動車栃木工場(上三川町)やホンダの四輪R&Dセンター(芳賀町)が立地し、医療機器では栃木県の医療機器産業振興のページによると生産金額が令和5年に3,057億円で全国2位(全国比11.4%)です。県内の働き手のおよそ4人に1人が製造業の事業所にいる、と言い換えられます。

医療・福祉は事業所6,420で従業者111,665人

医療・福祉は事業所数では6,420で6位ですが、従業者数では111,665人で3位に上がります。従業者のうち女性が79,316人と7割を超えており、県内で女性の就業先として最も大きな産業の1つです。

医療・福祉の記録や文書に生成AIをどこまで使えるかは、介護の記録と書類に生成AIを使う線引きで扱っています。

1事業所あたり従業者数|3.4人から26.2人まで

産業によって規模が8倍近く違う

第1表には1事業所あたりの従業者数も載っています。栃木県の主な産業を小さい順に並べると次のとおりです。

1事業所あたり従業者数を不動産業,物品賃貸業3.4人、生活関連サービス業,娯楽業5.1人、建設業6.2人、全産業10.9人、医療,福祉17.4人、運輸業,郵便業21.9人、製造業26.2人の順に、左から右へ上がる7段の階段で示した図
栃木県の1事業所あたり従業者数の産業差(令和3年調査)
産業大分類 1事業所あたり従業者数
不動産業,物品賃貸業 3.4人
生活関連サービス業,娯楽業 5.1人
建設業 6.2人
宿泊業,飲食サービス業 7.5人
卸売業,小売業 8.1人
教育,学習支援業 9.6人
学術研究,専門・技術サービス業 10.1人
全産業 10.9人
農林漁業 11.4人
サービス業(他に分類されないもの) 13.4人
金融業,保険業 14.0人
情報通信業 14.3人
医療,福祉 17.4人
運輸業,郵便業 21.9人
製造業 26.2人

不動産業・物品賃貸業の3.4人と製造業の26.2人では、同じ「1事業所」でも規模が8倍近く違います。建設業は事業所数8,776で3位ですが、1事業所あたりは6.2人と小規模な事業所の集まりです。

自社の規模を産業の平均と比べる

この列は、自社の位置を確かめるのに使えます。例えば従業員15人の製造業なら、県内製造業の平均26.2人より小さい事業所です。従業員15人の建設業なら、平均6.2人の2倍以上の規模になります。同じ15人でも、産業の中での位置づけは正反対です。

補助金の事業計画書で「当社は県内の同業種の中で小規模である」と書くとき、この平均値を根拠に添えると、審査側が読みやすくなります。事業計画書の書き方は補助金の事業計画書を生成AIで書く5手順を参考にしてください。

宇都宮市の数字|県内の約4分の1が集まる

宇都宮市の民営事業所は20,953

第1表には市町別の値もあります。宇都宮市の民営事業所は20,953、従業者は241,786人、1事業所あたり11.5人です。県全体の80,062事業所に対して約26%、870,819人に対して約28%が宇都宮市に集まっています(2つの割合は本記事の計算です)。

宇都宮市の産業別では、卸売業・小売業が5,395事業所・52,504人、製造業が1,084事業所・32,558人、医療・福祉が1,760事業所・31,176人です。製造業の1事業所あたり従業者数は30.0人で、県平均の26.2人より大きい事業所が集まっています。

足利・栃木・佐野は製造業の比重が高い

県南の3市を見ると、足利市は民営事業所6,274のうち製造業が1,192事業所・16,764人、栃木市は6,523のうち製造業803事業所・18,579人、佐野市は5,884のうち製造業795事業所・15,252人です。いずれも製造業の従業者数が市内で最も多い産業になっています。取引先の所在地ごとに「その市ではどの産業に人が多いか」を確かめると、商談資料の地域説明が具体的になります。

令和8年調査は2026年6月1日現在で実施中

5年に一度・報告義務のある基幹統計調査

経済センサス-活動調査は5年に一度の調査で、令和3年の次は令和8年です。経済産業省「全国のすべての事業者の皆様を対象とした『令和8年経済センサス-活動調査』を開始します」(2026年4月1日)によると、総務省と経済産業省は令和8年6月1日現在で、全国のすべての事業所・企業や団体を対象に調査を実施しています。統計法に基づく報告義務のある基幹統計調査で、調査書類は4月から5月にかけて順次郵送され、インターネットでの回答が求められました。

総務省統計局「令和8年経済センサス-活動調査」のページでも、令和8年6月1日に調査を実施し、調査の実施・公表に向けて順次情報を更新すると案内されています。県の結果がいつ公表されるかは、2026年9月時点で本記事では公式に確認できていません。前回は2021年6月の調査に対して県の確報が2023年9月14日に出ていますので、同じ間隔なら次の県の確報は2028年ごろになる見込みです。

結果が出るまでは「2021年6月時点」と書く

事業計画書や会社紹介に令和3年調査の数字を使うときは、「令和3年経済センサス-活動調査(2021年6月1日現在)」と時点を明記します。5年前の数字であることを隠さず書くほうが、審査側や取引先の信頼につながります。令和8年調査の結果が公表されたら、この記事の数字は差し替えが必要です。

生成AIで第1表を読む手順|自社の行を全国・市町と並べる

自社の産業の行を抜き出して全国・宇都宮市と並べる

第1表はPDFで、全国・栃木県・市町の順に同じ産業大分類の行が並んでいます。手順は2段階です。まず第1表から自社の産業の行を抜き出す。次に全国・栃木県・市町の3つ分を貼る。自社の所在する市町を含めたこの3行を生成AIに貼り、「この3行を比べて、栃木県の当該産業の事業所数・従業者数・1事業所あたり従業者数を、全国と市町と対比しながら200字で説明してください。数字は貼った表の値をそのまま使い、表に無い数字や割合は計算しないでください」と指示します。

自社の産業の行を抜き出す、全国・栃木県・市町の3つ分を貼る、説明文の下書き、人が第1表の元の値と照合、補助金の事業計画書・会社紹介・採用説明資料に使う、という左から右への流れを示した図
第1表を生成AIで読み、人が照合してから3つの文書に使う流れ

生成AIに割合や順位を「計算させる」と、桁を間違えたり丸め方が変わったりします。割合が必要なら、人が電卓で計算して「本記事の計算」と明記して添えます。この記事の約24.3%や約26%はそのやり方で出した値です。

事業計画書の「地域の状況」欄への落とし込み

説明文の下書きができたら、次の3つの文書に使えます。

1つ目は補助金の事業計画書です。「栃木県の製造業は8,064事業所・従業者211,289人で県内従業者の約4人に1人を占め、当社はそのうち従業員15人の小規模事業所である」といった1段落が、地域の状況の欄にそのまま入ります。

2つ目は商談会や展示会の会社紹介です。取引先の所在する市の産業構成を1行添えると、相手の地域を理解している印象になります。出展準備の進め方は商談会・展示会の出展準備に生成AIを使うで扱っています。

3つ目は採用説明資料です。県内で製造業の従業者が最も多いという事実は、製造業への就職を考える人に「県内で働き続けられる産業だ」と伝える根拠になります。

照合の手順

生成AIが出した文章の数字は、1つずつ人が第1表の元の値と照合します。特に「卸売業,小売業」のように読点で区切られた産業名は、生成AIが「卸売業・小売業」に書き換えたり片方を落としたりしやすいので、表の表記に戻します。出典は「栃木県 令和3年経済センサス-活動調査 第1表」と時点を添えて必ず書きます。

よくある質問

Q. 栃木県の事業所数と従業者数はいくつですか。

令和3年経済センサス-活動調査(2021年6月1日現在)では、事業所数82,105(うち民営80,062)、従業者数930,023人(うち民営870,819人)です。県の確報は令和5年9月14日に公表されています。

Q. 栃木県で最も従業者が多い産業は何ですか。

製造業で、民営事業所8,064・従業者211,289人です。事業所数では卸売業・小売業が19,572で最多ですが、従業者数では製造業が1位になります。

Q. 1事業所あたりの従業者数は何に使えますか。

自社の規模を産業の平均と比べるのに使えます。栃木県の全産業平均は10.9人、製造業は26.2人、建設業は6.2人、不動産業・物品賃貸業は3.4人です。

Q. 令和8年の調査結果はいつ出ますか。

令和8年経済センサス-活動調査は2026年6月1日現在で実施されています。県の結果の公表日は2026年9月時点で本記事では確認できていません。前回は調査から県の確報まで約2年3か月かかっています。

Q. 生成AIに栃木県の事業所数を聞いてもよいですか。

聞くだけなら問題ありませんが、返ってくる数字は調査年や対象(民営か全事業所か)が混ざりやすいです。県の第1表を貼り、その値だけを使って説明文を作らせ、人が照合する使い方にしてください。

運営元 Uravation より自社に近い業務から着手先を選ぶ材料として、業務別の生成AI活用事例50例を無料で公開しています。 生成AI活用事例 業務別50選を受け取る(無料)

参考・出典