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栃木の消費者物価指数の読み方|宇都宮市の数字で何が変わるか

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栃木の消費者物価指数の読み方|宇都宮市の数字で何が変わるか

この記事の要点

  • 栃木県内の消費者物価指数は、県庁所在地である宇都宮市分だけが作成され、栃木県統計課のページで公表されています。
  • 2026年7月分の宇都宮市の総合指数は101.9、前月比0.6%の上昇、前年同月比1.9%の上昇です。
  • 2026年7月分から2025年を100とする基準に改定されました。基準年は5年ごとに改定されるため、古い基準の数字とそのままつなげて比べられません。
  • 指数は4種類(総合/生鮮食品を除く/生鮮食品及びエネルギーを除く/食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く)あり、どれを使うかで話が変わります。
  • 生成AIは「数字を調べる係」ではなく「調べた数字を文章に組み立てる係」として使います。数字は公表資料から自分で転記してください。

栃木の消費者物価指数はどこにあるか

消費者物価指数(CPI)は、総務省統計局が実施する小売物価統計調査と家計調査の結果をもとに、物価の変動を毎月測定した指標です。家計の消費構造を一定時点に固定し、同じものを買い続けたときに価格がどう動いたかを指数で示します。年金の改定や各種の経済施策の基礎資料にも使われます(栃木県統計課「消費者物価指数・小売物価統計調査」)。

宇都宮市分は栃木県統計課、全国と他都市分は総務省統計局が公表することを示す図
県が公表するのは宇都宮市分、全国と他都市分は国が公表する

県が出す「宇都宮市分」と、国が出す「全国・他都市分」

ここで最初につまずきやすいのが、「栃木県の消費者物価指数」という数字は存在しない、という点です。県内では県庁所在地の宇都宮市分が作成され、それを栃木県統計課が公表しています。県全体の平均値ではありません。

全国の指数や他都市の指数を見たいときは、総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」のページを使います。社内資料で「全国と栃木を比べる」という書き方をするなら、正確には「全国と宇都宮市を比べる」になります。ここを言い換えずに書いておくと、あとで数字の出どころを聞かれたときに説明が短く済みます。

公表のタイミングを先に押さえる

全国結果の公表は、翌月の19日を含む週の金曜日です。県が公表する宇都宮市分はそれに続く形で更新され、2026年7月分のページには「次回更新予定:令和8(2026)年9月下旬(令和8(2026)年8月分結果)」と記載されています。

つまり、9月に社内資料を作るときに手元で確実に使えるのは7月分か8月分で、当月・前月の数字はまだ出ていません。価格改定の説明を9月中にまとめるなら、「直近で公表されている月」を明記して使うのが安全です。

2026年7月分の宇都宮市の消費者物価指数

2026年7月分(2025年=100)の宇都宮市の数字は次のとおりです。

総合から順に生鮮食品、エネルギー、食料を差し引いた4段の入れ子を示す図
4つの指数は範囲の広い順に中身を差し引いた入れ子になっている
指数 指数値 前月比 前年同月比
総合 101.9 0.6%上昇 1.9%上昇
生鮮食品を除く総合 102.1 0.5%上昇 1.9%上昇
生鮮食品及びエネルギーを除く総合 102.1 0.5%上昇 2.0%上昇
食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合 101.8 0.5%上昇 1.6%上昇

出典は栃木県統計課「消費者物価指数・小売物価統計調査」の令和8(2026)年7月分の概況です。

4つの指数の使い分け

4つの指数は、範囲の広いものから順に中身を差し引いた入れ子の関係になっています。

  • 総合:すべての品目を含みます。「暮らしの実感」に一番近い一方、天候で動く生鮮食品や、燃料価格で動くエネルギーに振り回されます。
  • 生鮮食品を除く総合:いわゆるコア指数です。天候要因を外して基調を見たいときに使います。
  • 生鮮食品及びエネルギーを除く総合:コアコア指数と呼ばれます。輸入エネルギー価格の影響も外れるため、国内要因の動きを見たいときに向きます。
  • 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合:食料全般を外した指数です。値動きの大きい支出を広く外した形になります。

社内で「物価は何%上がったのか」と聞かれたときに、総合の1.9%とコアコアの2.0%のどちらを答えるかで、話の前提が変わります。価格改定の説明にどれを使ったかを資料の中に書いておくと、後から検証しやすくなります。

2025年基準への改定で何が変わるか

消費者物価指数の基準年は5年ごとに改定され、宇都宮市分は令和8(2026)年7月分から2025年基準に切り替わりました。それまでは2020年基準でした。

旧基準と新基準を左右に分け、つなぐときは変化率で比べることを示す図
2020年基準と2025年基準は同じ軸に並べられない

基準改定で変わるのは、指数が100になる年だけではありません。品目ごとのウェイト(家計調査の結果に基づく支出割合)も入れ替わります。そのため、2020年基準の指数値と2025年基準の指数値を、同じ物差しの上に並べて引き算することはできません。

過去にさかのぼって傾向を見たい場合は、基準ごとに系列を分け、つなぐときは指数値ではなく前年同月比などの変化率で比べます。2020年基準の系列はe-Stat「2020年基準消費者物価指数」から取得できます。社内の年次レポートで「去年と同じグラフを更新する」作業をしている場合は、今年は台紙の作り替えが必要になる年だと考えてください。

上がった項目と下がった項目の読み方

2026年7月分の寄与の内訳

県の概況には、どの分類が指数を押し上げ、どの分類が押し下げたかも記載されています。2026年7月分では次のとおりです。

前月比と前年同月比それぞれの上昇寄与と下落寄与を並べた2×2の表
前月比と前年同月比で寄与した分類の顔ぶれが変わる
  • 前月比で上昇に寄与した主な内訳:自動車等関係費、野菜・海藻、調理食品
  • 前月比で下落に寄与した主な内訳:穀類、家庭用耐久財、シャツ・セーター・下着類
  • 前年同月比で上昇に寄与した主な内訳:自動車等関係費、調理食品、家庭用耐久財
  • 前年同月比で下落に寄与した主な内訳:授業料等、シャツ・セーター・下着類、家事雑貨

注意したいのは、この寄与の内訳が「総務省統計局が公表している小売物価統計調査結果をもとに、県が独自に算出したもの」である点です。県のページにその旨が明記されています。社外に出す資料で引用するときは、独自算出であることも一緒に書いておくと安全です。

前月比と前年同月比では顔ぶれが変わる

前月比と前年同月比で顔ぶれが入れ替わっている点も読みどころです。家庭用耐久財は前月比では下落側、前年同月比では上昇側に並んでいます。短期の動きと1年の動きは別の話であり、「先月より下がったから落ち着いた」とは言えません。取引先への説明でどちらを使うかは、話したい期間に合わせて選びます。

小売物価統計調査は県内のどこで行われているか

消費者物価指数のもとになる小売物価統計調査は、全国約2万7千店舗(事業所)と約2万8千世帯を対象に、商品の小売価格やサービス料金、家賃などを毎月調べています。この調査は、毎月の動向を明らかにする「動向編」と、地域別・店舗形態別などの構造を明らかにする「構造編」に分かれています(総務省統計局「小売物価統計調査」)。

小売物価統計調査から動向編と構造編に枝分かれし、それぞれの県内調査地点を示す図
県内の調査地点は動向編3市町と構造編3市に分かれる

動向編と構造編の調査地点

栃木県内の調査地点は次のとおりです。

  • 動向編:宇都宮市(県庁所在市)、小山市(人口15万人以上の市)、上三川町(人口5万人未満の市町村)
  • 構造編:栃木市(人口15万人以上の市)、大田原市および那須塩原市(人口15万人未満の市)

自社の商圏と指数の距離をどう埋めるか

自社の商圏が動向編の3市町に含まれているかどうかで、公表される数字との距離感が変わります。宇都宮市内で商売をしている事業者にとっては、宇都宮市分の指数はかなり近い数字です。一方、県北や県西の事業者が「宇都宮市の指数と自店の仕入価格が合わない」と感じるのは自然なことで、指数が間違っているわけではありません。その場合は、指数を全体の傾向として使い、個別の価格は自社の仕入実績で示す、という二段構えにします。

価格改定の社内資料を生成AIで整える手順

物価の数字は、集めただけでは社内で動きません。「いくら上がったか」を「だから何をするか」に翻訳する文章が要ります。ここは生成AIが手伝える部分です。

数字を確定し前提を書き出してから下書きを作らせ、最後に人が突き合わせる4段階の流れ図
数字は人が確定し、生成AIは文章の骨づくりだけを担う

生成AIに渡してよいもの・渡さないもの

渡してよいのは、公表されている統計の数値と、自社で作った文章の骨子です。渡さないのは、取引先名・単価・見積書の中身といった、外に出せない取引情報です。社内の利用ルールをまだ決めていない場合は、生成AIガイドラインの作り方を先に読んで、A4数枚のルールを用意してから始めてください。

4つの段階に分けて進める

  1. 数字を確定する:県と統計局のページから、使う指数・対象月・前年同月比を転記します。ここは人の作業です。生成AIに数字を調べさせない、と決めておきます。
  2. 前提を書き出す:「宇都宮市分である」「2025年基準である」「独自算出の寄与内訳である」といった注記を先に並べます。
  3. 文章の骨を作らせる:確定した数字と前提を渡し、社内向け・取引先向けの2通りの説明文の下書きを作らせます。長さと読み手を指定すると精度が上がります。
  4. 人が数字を突き合わせる:下書きの数字が手元の転記と一字一句合っているかを、指差しで確認します。生成AIは数字を作文することがあるため、この確認を省けません。

同じ考え方は賃金や雇用の統計にも使えます。県内の賃金と労働時間の数字については栃木の賃金・労働時間データの読み方を、人口の動きについては栃木の人口と世帯数の読み方を参照してください。

よくある質問

Q. 栃木県全体の消費者物価指数はありますか。
A. ありません。県内では県庁所在地の宇都宮市分が作成されています。県全体の平均を示す指数ではない点に注意してください。

Q. 2026年7月分の宇都宮市の総合指数はいくつですか。
A. 101.9です。前月比0.6%の上昇、前年同月比1.9%の上昇でした(2025年=100)。

Q. コア指数とコアコア指数のどちらを使えばよいですか。
A. 天候の影響を外して基調を見たいならコア(生鮮食品を除く総合)、輸入エネルギーの影響も外したいならコアコア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)です。どちらを使ったかを資料に明記してください。

Q. 去年のグラフに今年の数字を足してもよいですか。
A. 2026年7月分から2025年基準に改定されたため、2020年基準の指数値と同じ軸には並べられません。前年同月比などの変化率で比べるか、基準ごとに系列を分けてください。

Q. 次の更新はいつですか。
A. 県のページには、令和8(2026)年8月分結果の次回更新予定が令和8(2026)年9月下旬と記載されています。全国結果は翌月19日を含む週の金曜日に公表されます。

Q. 数字の意味が分からないときの相談先はどこですか。
A. 栃木県統計課の生活産業統計担当(電話028-623-2245)が窓口です。県庁舎本館7階にあります。

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参考・出典